「ポテサラおじさん」ドイツでは有りえない理由 「母親への要求が高すぎる」日本のモヤモヤ
東洋経済オンライン / 2020年8月1日 7時45分
今年4月、札幌で子どもを連れて道を歩いていた妊娠7か月の女性が、後ろから歩いてきた50代の男に足でお腹を蹴られる事件がありました。都内でもマタニティーマークをつけた妊婦さんがホームで体当たりをされ、すれ違い様に暴言を吐かれるということが発生しており、私の周辺でも「最近、妊婦さんに強く当たる人が多い」という話を聞きます。
また、先月8日、惣菜コーナーで高齢の男性が子連れ女性に対して「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言い放ち、そのまま立ち去った様子について書いたツイッターが10万リツイートを超え、その後、テレビなどでも取り上げられるなど大きな注目を集めました。
なぜ日本では妊婦や子連れ女性をターゲットとした嫌がらせが後を絶たないのでしょうか。
■ちょっと残念な「ポテトサラダ論争」
惣菜コーナーでの出来事についてメディアやSNSで議論となった際、「ポテトサラダを手作りするのは意外と手間暇がかかる」「労力を考えると市販のポテトサラダを買ったほうが安上がり」「市販のもののほうが美味しい」「いや、手作りのポテトサラダのほうが美味しい」など様々な意見が出ました。
ただ最後までポテトサラダという「食べ物」を中心に語られていたこと、そして論争が「お母さん」がポテトサラダを作るべきか否かに終始していたのはちょっと残念でした。
考えてみれば、これだけ選択肢が多い今の世の中、ポテトサラダを手作りしようが、市販のポテトサラダを買おうが自由なはず。それを認めようとせず、市販のポテトサラダを買おうとする子連れ女性に対して「ひとこと言ってやりたい」中高年の男性の加害性については、あまり問題視されていなように見えました。
今回の件に限らず、日本の中高年男性が怒りっぽくなっていることはメディアでもたびたび取り上げられてきました。彼らが特に「自分よりも若い女性」に対して暴走しがちなのは、日本の社会が女性、とくに「お母さん」に対して多くを求めがちな一方で、彼女たちを低く見てきた結果ではないでしょうか。
世界経済フォーラム(WEF)が昨年公表した「ジェンダー・ギャップ(男女格差)リポート」によれば、日本は153カ国中121位。一昨年は110位で順位を11位も落としたことから、女性たちを低く見る状況は明らかです。前述の「ポテサラおじさん」のように、自分の期待通りの行いをしない母親を見かけたら、それを批難する男性が出てくるのも日本では自然なことなのかもしれません。
■ハードルが高すぎる「お母さん」という仕事
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