宅配便の「再配達無料」はどう考えてもおかしい そもそも送料無料という表現はどうなのか

東洋経済オンライン / 2020年8月3日 10時5分

ネット通販などで見かける「送料無料」は、はたして正しい表現なのだろうか(撮影:佃 陸生)

経済や生活を支える物流が危機を迎えている。長時間労働・低賃金をはじめ、長年、トラックドライバーの労働環境が改善されなかった結果、深刻な人手不足に陥り、「モノを運べない時代」が現実味を帯びてきた。

一方で、物流は人の目に触れる機会が少なく、社会全体でドライバーに正当な評価を与えなければ問題の解決は難しい。『ドライバー不足に挑む!』(輸送経済新聞社)の著者で、日通総合研究所の大島弘明氏と、『トラックドライバーにも言わせて』(新潮社)の著者でフリーライターの橋本愛喜氏が、今回は「送料無料」という言葉に対する違和感などを語り合った。

前回記事:意外と知らない「トラック運転手」が寝る場所

■感染恐怖の矛先がドライバーに

大島弘明氏(以下、大島):新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、緊急事態宣言が出た後も、物流はエッセンシャルワーカーと位置付けられ、トラックドライバーは通常業務を続けました。どんな気持ちで荷物を運んでいたのでしょうか。

橋本愛喜氏(以下、橋本):ステイホームしたかったというのが本音でしょう。でも、ドライバーは物流を支えているという熱い気持ちを持った人が多くいます。預かった荷物を届けなければならないという使命感で仕事をしていたと思います。

大島:新型コロナの中でも、ほぼ普段どおりの生活を送ることができたことに対し、世の中から物流に感謝する声が聞かれました。一方で、ドライバーへの職業差別も問題となりましたね。

橋本:私のもとにも、あるドライバーからダイレクトメールが届きました。内容は自分の妻が働く工場から、夫である自分が長距離ドライバーで感染している可能性があるため、年次有給休暇で休むよう指示されたという相談でした。

大島:それはおかしな話ですね。

橋本:私も疑問に思い、メーカーの本部に事実確認をしました。結果的に、その奥さんは職場復帰できたのですが、感染をおそれるあまり過剰になり、その矛先が立場の弱いドライバーに向かってしまったのは非常に残念です。

橋本:使命感は強くても、好きで運んでいるわけではありません。「仕事があるだけいいと思え」と言われたドライバーもいたようで、周囲も彼らの熱い気持ちを理解しなければいけないと非常に感じました。

大島:新型コロナを機に、実はこれはなくてもどうにかなるということが、社会全体で考え直されましたよね。

橋本:確かに、去年までダメだったことが、いまは許容されています。例えば、飲食店の店員はマスクをしてはいけないという雰囲気がありましたが、新型コロナ以降は当たり前になりました。コンビニの営業時間も、短縮する動きが出ています。

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