コロナ2波で「株・ドル暴落、金暴騰」は起きるか 「バブル崩壊」や「金融危機」に過敏な人の論理

東洋経済オンライン / 2020年8月3日 8時0分

新型コロナの感染者数は連日のように過去最高を更新。これから株価もどんどん下落していくのだろうか(写真:4月の緊急事態宣言時の新宿/アフロ)

4~6月期の決算発表社数が、日米ともにぐっと増えた。同時に、4~6月期や6、7月分のマクロ経済統計の発表も進んでいる。

■「株価はひとたまりもなく下落する説」の根拠

事前には、「4~6月期の企業収益は著しく悪い。だから今後日米の株価はひとたまりもなく下落する」との主張もよく聞いた(いまだに一部ではこれから大きな下落がやってくる、と言われているかもしれない)。

なるほど、個別銘柄で決算を材料に株価が上下に振れたものはある(日本株では、たとえば好材料となったのは東京エレクトロンやコメリなど、悪材料となったのはキヤノンやファナック、アドバンテストなど)。だが、主要な株価指数で示される株式市況全般としては、別に「ひとたまりもなく」でもないようだ。

「ひとたまりもなく」説の背景には、「コロナ禍で景気や企業収益が悪いに決まっているのに、株価が上がるのはおかしい。上昇をあてこむようなおかしな相場観を抱いている投資家には、現実にとても悪い決算が鉄槌として下るだろう」という考えが、あるのかもしれない。

とは言っても、そもそも、悪い経済統計と株価上昇といった乖離は、だいぶ前から始まっていた。振り返ってみれば、主要国の経済統計で最初に強烈な悪化を示したのは、4月の米雇用統計だった。

この統計では、非農業部門雇用者数は当初公表値で前月比2050万人減(その後修正され、2079万人の減少となった)と、史上最大の減少幅を記録した。ところがこの統計が発表された5月8日に、ニューヨークダウ工業株指数は前日比で1.9%上昇したことは、記憶に新しい。

この日は市場では、「これだけ雇用情勢が悪化しているのに株価が上がるのはおかしい」という怨嗟の声だけではなく、「雇用統計がこれこれこのように誤っている」など、統計そのものに対する疑義が、八つ当たりに近い形でぶつけられた。

しかし、こうした経済統計の数値と株価の乖離をどう考えるか。さらに少し遡ってみると、3月後半に主要国の株価が最安値を付ける局面では、コロナ禍が景気や企業収益に与える影響が著しく恐れられた。多くの投資家が「いったいどれほどすさまじく景気が悪化するのか、全くわからない。
米雇用統計などは雇用者数がひと月に5000万人減るのかそれとも1000万人しか減らないのか、何の手がかりもない」とパニック心理に陥ったわけだ。

そのため、株式市場ではVIX指数(いわゆる恐怖指数)が跳ね上がり、債券市場では社債がたたき売られ、商品市場では安全資産とされる金までもが一時売り込まれた。外国為替市場では安心感から米ドルが円以外の多くの通貨に対して跳ね上がった(円さえも一時は円安にふれた)。

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