6人家族で「1週間の食費は1万円」極限の食生活 野菜はほとんど買えず「鶏胸肉」がたまの贅沢

東洋経済オンライン / 2020年8月5日 7時25分

九州のある街で暮らすシュウゴさんは、妻と4人の子どもたちの6人家族。妻は膠原病を患っているので働くことができない(写真:シュウゴさん提供)

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

今回紹介するのは「15万円の手取りではとても生活できないため、父親から仕送りを受けています。正直、この先、家族みんなで幸せになれるのか、とても不安です」と編集部にメールをくれた、36歳の男性だ。

■妻と子ども4人、夕食は「すいとん」だけ

ゆで上がったばかりのすいとんが皿の上に並ぶ。「やったー!」。歓声とともに四方から、真っ黒に日焼けした子どもたちの腕が伸びる。肉や野菜が入った汁物ではなく、文字どおりすいとんだけなのだが、子どもたちは味噌だれにつけて食べるのがお気に入りだ。

小麦粉1キロ分の団子はあっという間になくなった。子どもは幼稚園から小学4年生までの4人。父親のシュウゴさん(仮名、36歳)は複雑な表情でこう話す。

「今晩の夕飯です。おかずですか? ありません。すいとんだけです。1週間の食費は1万円と決めているので。よろこんで食べてくれるのが救いですが、考えてみると(子どもたちのほうから)『すいとんを食べたい』と言われたことは一度もないですね……。子どもたちの栄養は学校の給食が頼りです」

九州のある街で暮らすシュウゴさんは、妻と4人の子どもたちの6人家族。妻は膠原病を患っているので働くことができない。シュウゴさんは正社員のシステムエンジニアで月収は30万円ほどだが、妻の看病に加え、家事や育児もこなさなくてはならないので出社できるのは所定労働時間の7割ほど。遅刻や早退による賃金カット分や家賃、保険料などを差し引くと、手元には15万円ほどしか残らない。

夕食の定番は“素すいとん”のほか、ケチャップをあえたパスタや、レトルトのもとと豆腐を合わせただけの“麻婆豆腐”など。シュウゴさんは「果物はぜいたく品。野菜もほとんど買えません。たまに鶏の胸肉を買うくらいです」と話す。

生活保護水準を下回る収入でも、なんとか暮らしていけるのは、シュウゴさんの父親が多いときで月4万円ほどの仕送りをしてくれるほか、地域のフードバンクからコメの提供を受けているおかげだという。

■両親との同居から歯車が狂い始めた

シュウゴさん夫妻はともに関東地方出身。妻はもともと看護師として働いており、結婚当初の年収は2人合わせて700万円ほどあった。「子どもは多いほうがいいね」「いつか一戸建てを持ちたい」。当時は2人でそんな未来を語り合っていたという。

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