サイゼリヤ、社長も驚く「1円値上げ」の成果 50円単位の設定でコイン受け渡しを大幅削減

東洋経済オンライン / 2020年8月5日 7時10分

――改革の象徴の1つが、ミラノ風ドリアの「1円値上げ」などの価格改定ですね。

価格改定の効果は思った以上にあって、面白いし、びっくりしている。

最大の意図は、コインの受け渡しを削減することにあった。コロナ禍によって、顧客も従業員もコインのやり取りをなるべく避けたい。すべての商品の価格を50円単位にすることでコインの受け渡しを6~8割減らせると想定し、実際にその通りになった。

会計にかかる総時間も30%減少した。ぴったり払いやすい金額になったことで、釣り銭を渡す時間が減った。自分が食べた分の金額が500円、600円などとキリのいい金額なので、レジに来る前にグループでまとめてくれることも多くなった。価格改定で個別会計は25%減少した。

――予想以上の効果ですね。

さらに面白いのが客単価が上がったこと。当社の客単価は700円台前半だったが、50円や100円刻みの値段設定にしたことで、ちょうど合計1000円を目安に注文する顧客が増えた。

加えてTwitterなどで「1000円ガチャ」(サイゼリヤのメニューから1000円ちょうどになる組み合わせをランダムで表示するWebページ)が話題になった。あれを見て、1000円ちょうどになるように注文する顧客が増えたのかもしれない。1000円ガチャ様々だ。

ミラノ風ドリアをはじめ、大半の商品は1円値上げになったが、一方でライスは169円から150円へ、ランチドリンクバーは110円から100円へ大きく値下げした。そのため、客単価が下がると恐れていたが、全然関係なかった。

価格改定は大正解。他社にもおすすめしたいぐらいだ。ただ、当社はずっと税込みの価格表示にしてきたからすぐに改定できたが、税抜きの価格設定をしているところは、税込み価格を50円単位にそろえるのは難しいだろう。

「週刊東洋経済プラス」のインタビュー拡大版では、アフターコロナ時代の出店戦略やテイクアウト戦略についても語っている。

佐々木 亮祐:東洋経済 記者

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング