米国が不況でも株高なのに日本は冴えないワケ 「日米の相対的な株価格差」は再び「戦後最大」に

東洋経済オンライン / 2020年8月9日 7時50分

トランプ大統領の行動には一貫性がない。新型コロナの影響も深刻だ。それでも株価は好調で、「日米格差」は「戦後最大」だ。この差はどこから来るのか(写真:ロイター/アフロ)

7月のアメリカ株式市場は、ハイテク株を中心に上昇、S&P500指数は年初来のリターンがついに同月末プラスに転じた。同国では、6月半ばから新型コロナウイルスの感染者拡大によって経済復調にブレーキがかかっているが、株高トレンドを崩すには至ってない。

■アメリカは所得補償で戦後最大の経済ショックを緩和

株高を支えているのは、トランプ政権が大規模な財政金融政策を打ち出し、それらによって経済がいずれ正常化するとの期待が強まっているためだ。7月24日のコラム「日本はコロナ大量感染の米国よりも深刻になる」でも述べたが、同政権は第2次世界大戦時と同様にGDP比20%規模まで財政赤字を拡大させる勢いで4月から未曾有の財政政策を発動している。

この財政政策の特徴は、迅速かつ大規模に家計を中心に所得補償を行い、戦後最大の経済ショックの緩和を試みていることである。

7月末に判明した4~6月GDPは前期から約10%も縮小したが、それとは反対に4~6月の家計所得は前期比でプラス9%も増えた。経済封鎖で失業率は依然戦後最高水準にあるが、アメリカの家計全体で見れば、政府からの所得移転でむしろ貯蓄が大きく積み上がっている。

また、7月のアメリカ株高には、ワクチンの開発期待による医療バイオ関連銘柄の上昇も影響した。「国策によるワクチン買い上げ」という財政支出拡大によって関連企業が大きな利益を膨らませるとの期待が、株式市場の上昇を後押ししたとみられる。

アメリカと同様の規模・スピードで財政政策発動が実現している国は、他にはほとんど見られない。国家を揺るがす非常事態に直面し、覇権国としての地位を保つために同国の政治が機能して、経済正常化を実現させる未曾有の政策が実現しているのかもしれない。

なお、トランプ政権と対峙する民主党の経済政策プランは、政府支出拡大に偏っている面で共和党のプランと異なる部分は多いが、大規模な財政政策発動を前提としている点では共和党政権と似ている。コロナ禍を戦争同様の非常事態として認識する政府の対応が長期化するとの期待がアメリカの金融市場では広まっている。

こうした中で、失業保険給付の週600ドル上乗せが7月末で期限切れとなり、これをカバーする追加財政政策が注目されている。筆者が想定していた通り、共和党、民主党の間での意見相違が大きいため協議が難航、8月に入っても協議が続いている。

■9月以降の家計所得も「第2弾」による下支えが濃厚

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