PTAの「人やお金の動かし方」に猜疑心が募る訳 アゴ足つきの宴会、保険PR、割り当ては適切か

東洋経済オンライン / 2020年8月14日 7時5分

では、この人たちを送り出すための資金はどのように工面されているのだろう。

さいたま市PTA協議会の2018年度決算によると、市内167の小中学校と養護学校に子どもを通わせる親と学校の先生が1人当たり50円を支払う会費は約453万円。さいたま市も165万円の補助金を出した。会員校のうち2校は埼玉大学付属の小中学校で、市立校は165校なので、1校1万円の計算となる。実は今年度、後述する市立小学校1校のPTAが退会した。

さいたま市PTA協議会には、「保険口座」と「特別事業積立金」の会計もあり、一般会計には保険から約336万円、特別事業から560万円の計約896万円が繰り入れられた。さらに、上述の保険口座に商品を提供する保険会社が100万円の広告費を出した。ここに、前年度からの繰越金を加えた計約1682万円がさいたま市PTA協議会の一般会計の収入だった。

特別事業積立金は過去の資金の積立金で、2018年度も一般会計から350万円が戻ったので、保険会社からの広告費のことも考えると、さいたま市PTA協議会財政に保険事業が占めるウエイトは大きい。

■PTAが紹介した補償制度

今年1月、さいたま市内の小・中・特別支援学校の校長あてに、損害保険会社の封筒に入ったDVDが届いた。中には、さいたま市PTA協議会の岡野育広会長名で「さいたま市PTA協議会推奨 新入学児童生徒保護者会における児童生徒ワイド補償制度DVD視聴についての依頼」という長い題名の依頼状が同封されていた。

それは、「新入生の保護者の方々へ、ご提案させていただく補償制度についてご理解いただくためのDVD」を説明会で「視聴する時間(5分少々)」をとってほしいというものだった。

DVDには岡野会長自身が登場し、2018年度からの埼玉県自転車条例で自転車保険が義務化されたことなどを話したうえで「賠償額が5億円を超える事例も発生しております」などと、賠償に備える必要を説いている。ちなみに、国内の自転車事故での賠償額の最高は2013年に神戸地裁で出た9521万円だ。5億円を超える賠償額というのは自動車事故の事例をあげているようだ。

岡野会長の「児童生徒のためだけに作った充実した補償内容となっておりますので、ぜひ、点検の際のひとつの材料としていただきたい」という紹介に続いて、損保会社による商品説明が流れる。

補償内容は①自転車事故などで他人に損害を与えた場合、②子どもがけがをした場合の治療費など、③保護者が亡くなったり重度障害を負ったりした場合の育英費用などと説明された。

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