日本がグーグルやアマゾンを生み出せない真因 製造業に適した人材ばかりを求めていいのか

東洋経済オンライン / 2020年8月15日 8時30分

人口減少もデフレも根本的な要因ではない。では、日本経済がこれほど弱くなった真の理由はなんでしょうか。

そこで企業時価総額ランキングに目を向けてみます。トップ20社の中に14社も入っていた日本企業が姿を消した代わりに、どういう企業がランクインしたのかを見てみると、まずGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)です。すなわち、日本経済の停滞の要因はGAFAやその予備軍と目されるユニコーン企業を生み出せなかったところにあります。

グーグルは1998年の創業ですからまだわずか20年ちょっと、人間でいえば大学を卒業する頃です。フェイスブックに至っては2004年の創業なので16年しか経っていない若い会社です。それにもかかわらずフェイスブックの時価総額はトヨタの2倍もあるのです。

■ユニコーン企業は日本に3社しかいない

ユニコーン企業とは未上場で評価額が10億ドル以上のベンチャー企業を指します。世界のどこにユニコーンが生息しているかというと、2019年7月末時点で、世界計380社のうち、アメリカが200社弱、中国が100社弱と全体の8割を占め、日本はわずか3社にすぎません(日本経済新聞)。問題の核心がここにあります。

戦後の日本の高度成長は製造業が牽引しました。ところがいまや製造業がGDPに占める割合はおよそ20%です。雇用に占める製造業の割合に至っては20%を切り、17%(2018年度平均 総務省「労働力調査」)に過ぎません。もはや製造業には日本全体を引っ張る力のないことは明らかです。

日本経済の低迷は、新たな産業社会の牽引役になれるユニコーンがなかなか生まれないところに根本的な原因があります。学者によれば、ユニコーンを生むキーワードは、女性・ダイバーシティ・高学歴の3つだそうです。

まず女性ですが、現在の世界はサービス産業が引っ張る方向に向かっています。そしてサービス産業のユーザーは世界的に見ると女性が6~7割と大勢を占めています。つまり需給ギャップが大きくなっている。このギャップを埋めるためにヨーロッパではクオータ制が行われているのです。ところがわが国の女性の社会的地位は153カ国中121位(世界経済フォーラム)というひどさ。これでは女性の望む新しいサービスのアイデアが生まれるはずもありません。

ダイバーシティについては、ラグビーワールドカップにおける日本チームの活躍振りを見れば誰しも理解できるのではないでしょうか。日本人だけで戦ってベスト8に入れたか。混ぜることでチームは強くなる、まさにOne Teamです。ビジネスの世界も同じです。日本の企業は極論すれば日本人の男性だけでワールドカップを戦っているのです。これでは地位が下がるのもなるほどとうなずけます。

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