コロナ「第2波」で人々の移動はどう変わったか 「第1波」とデータで比較、モデルを作成してみた

東洋経済オンライン / 2020年8月21日 7時15分

新規感染者数の増加が発表された8月7日、猛暑日でもあったが、人出は特に減らなかった(写真:時事通信フォト)

8月7日の国内の新型コロナウイルスの新規感染者数(PCR検査陽性者数)は全国で1595人となり、4~5月の「感染第1波」のピークを大きく上回り、過去最多を更新した。その後はやや減ったものの、感染リスクを警戒しながらの生活は当面続きそうである。

そこで今回は、グーグル社のCOVID-19 コミュニティ モビリティ レポート(Community Mobility Reports)を用いて、人々の移動の変化を見てみた。

グーグル社の本レポートは、人々が訪れる場所をいくつかのカテゴリ(小売店と娯楽施設、食料品店と薬局、公園、公共交通機関、職場、住居など)に分類して、地理的な移動状況を時間の経過とともに図示したもので、各国の公衆衛生当局へ分析情報として提供するものだとしている。

■最近の感染拡大でも人々の行動はあまり変わらず

データを追ってみると、足元では国内における新型コロナウイルスの感染者数の増加が続いているにもかかわらず、人々の移動データの変化は限定的であることがわかった。

現状ともいえる「感染第2波」のケースでは「緊急事態宣言」が発出されていないことを割り引いたとしても、「感染第1波」と比べて人々の行動に与えている影響は大きくないようである。

このような人々の反応の変化は、おそらく人々の「マインドセット」(心理状態)の変化によってもたらされているのだろう。むろん、検査数の増加によって見つかる感染者数が増えた可能性が高くデータが示す意味合い自体が変わってきたこともあるし、重症者数はそれほど増えていないということもある。だが、依然として「新規感染者数」はヘッドラインとして注目されており、情報の「受け手側」の考え方が変化したという面が大きいだろう。

今回のコラムでは、移動データに与える「感染者数」の影響を「第1波」と「第2波」を分けたうえで、人々の「マインドセット」の変化を分析した。

■2つのバイアスが緩和された

新規感染者数の増加に対する人々の行動の変化(感応度)が抑制されてきた要因として、行動経済学的な観点からは以下の2つのバイアスが緩和されたことが大きいとみられる。

(1)「損失回避」バイアスの緩和

「損失回避」とは、人々は基本的にリスク回避的であるため、「利得」よりも「損失」を大きく見積もりやすいというバイアスである。当初は新型のウイルスという存在に対して自粛せずに経済活動を継続する「利得」よりも感染拡大の中、自分が感染してしまうかもしれないという「損失」を過度に見積もっていた可能性がある。

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