「聞かれてこそ音楽」、だからJASRACに対抗する 金をとられるとジングルベルが街から消えた 

東洋経済オンライン / 2020年8月24日 7時0分

「徴収の姿勢ばかりでは街中から音楽がなくなってしまう」とNexToneの阿南CEOは訴える(記者撮影)

今年3月30日、音楽著作権管理事業を展開する、NexTone(ネクストーン)が東証マザーズに上場した。

NexToneは日本市場で95%のシェアを握るJASRAC(日本音楽著作権協会)の対抗軸となって、競争をもたらすべく、2016年にエイベックスの持ち分法適用会社であるイーライセンスとジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)が合併して発足。Official髭男dism、あいみょん、米津玄師、松任谷由実、矢沢永吉など、有名アーティストの一部楽曲を預かる。

徴収はもちろん、音楽の利用促進を掲げ、音楽プラットフォームへの配信の支援やライブビューイングやプロモーションの支援も行っているのがNexToneだ。巨人・JASRACとの差をどう埋めるのか、代表取締役CEOの阿南雅浩氏を直撃した。

■著作権者にだけ使用料が発生するのは不合理

――音楽著作権管理は非営利の一般社団法人・JASRACが圧倒的なシェアを持つ市場です。参入に至った経緯を教えてください。

1939年からJASRACは唯一認可された団体として著作権管理事業を行ってきた。それが2001年に著作権等管理事業法が施行され、民間にも門戸が開かれると、28社が参入した。JASRACの独占体制に不満があったからだ。しかし、著作権管理事業は低収益ということもあり、現在までにほとんどの会社が撤退してしまった。

(合併以前に阿南CEOが社長を務めていた)イーライセンスは、ゲームやアニメ、ネットクリエイターなど、JASRACの従来型の管理手法がなじまない層と関係が深く、継続的に作品の提供を受けたことで存続できた。創通やコーエーテクモゲームスなどが株主となっているのはこのためだ。

イーライセンスは楽曲のプロモーションに関して、使用料を徴収しない方針だった。これに賛同し、エイベックスは、浜崎あゆみなどの楽曲をJASRACから移している。エイベックスは積極的なテレビCMや大量のサンプル版など、お金をかけてCDを売っていたが、使用料を徴収されると宣伝費は削られる。アーティストやプロダクションにも収入は入らないのに、著作権者にだけ使用料が発生するのは不合理だ。そもそも、プロモーションで著作権使用料を徴収するのは、世界的にも希少と言える。

一方のJRCは、音楽プロダクションなどが参加し、シンガーソングライターやロックミュージシャンを中心に、自ら楽曲を管理しようと立ち上がった団体。そのため、L'Arc~en~Ciel やスピッツ、布袋寅泰など、人気アーティストによるビッグタイトルの提供が継続的にあった。

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