37歳で腎臓がん手術受けた彼の壮絶な闘病記録 大腸がんステージ4克服した彼女は何を見たか

東洋経済オンライン / 2020年8月31日 7時35分

がんになったらどうする?(デザイン:熊谷 直美)

「毎年の健康診断ではいっさい問題なかった自分が、まさかがんとは驚きだった」

岐阜県在住の団体職員、大東篤史さん(46歳)はそう振り返る。発見につながったきっかけは、今から10年前の秋、右脇腹に感じた違和感だった。かかりつけ医に相談して血液検査などを行ったが異常はない。

だが、その後も断続的に違和感が続くため、頼みこんで地元の総合病院でCT(コンピューター断層撮影)検査を行ったところ、左の腎臓に腫瘍が見つかった。MRI(磁気共鳴断層撮影)による精密検査を経て、8~9割の確率で腎臓がんだと告げられた。2011年3月、37歳の若さでのことだ。違和感があったのは、右脇腹だったが、腫瘍があったのは左の腎臓。つまり、こと腫瘍に関しては、症状も違和感もいっさいなかった中で見つけられたのは、「不幸中の幸いだった」(大東さん)。

『週刊東洋経済』は8月31日発売号で、「がん治療の正解」を特集。国民の2人に1人が罹患する「がん」。がん患者・家族など当事者にしかわからないシビアな悩みや、治療にあたって知っておかねばならない「標準治療」など、気になる最新事情を徹底取材した。

■父は37歳の時に胃がんで亡くなっていた

くしくも大東さんの父親は37歳の時に、胃がんで亡くなっている。当時小学1年生だった大東さんにとって、がんは不治の病とのイメージが植え付けられた。父の亡くなった年齢に近づいた35歳ぐらいから、多少なりともがんを意識するようになったという。

がんを告知されても、まだどこか信じられない思いが残っていた大東さんに、手術を受けることになった愛知県がんセンター中央病院(当時)の医師の説明は厳しい現実をつきつけた。詳細な検査を行った結果、大東さんの腎臓がんは「ステージ3」。がんが腎臓の膜を破る寸前で、もしかしたらすでに破れて、がんが周囲に転移している可能性も否定できないと告げられた。

そう言われると一刻も早く手術を受けたかったが、手術室はすでに3カ月先まで予約がいっぱいだった。不安な日々を送っていたところ、キャンセルが出て1カ月以上前倒しでできると連絡があった。想定外の時期に職場を離れることになったが、職場の上司は快く送り出してくれた。

実はがんを告げられる2カ月前、大東さんは2度目の転職をしたばかりだった。その1年前の結婚がきっかけだったが、「まだ試用期間中にもかかわらず勤務できなくなり、これでは解雇されても仕方ないと思っていたが、上司に恵まれ守ってもらえた」と振り返る。

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