数字で見ると明らか「アベノミクス」残念な実績 在任期間中、日本経済はどれだけ「成長」したか

東洋経済オンライン / 2020年9月1日 7時35分

アベノミクスは成功したと言えるのか、これまでの政策を振り返ってみる(写真:Franck Robichon/REUTERS)

安倍晋三首相とその政策についてどんな考えであろうと、病が原因で職を辞さなければならなくなったのを見るのは悲しいことだ。「潰瘍性大腸炎」の治療法が見つかることを望むばかりである。

安倍首相は、国のトップとしての在任期間が長かったこともそうだが、まずは何よりも「アベノミクス」が成功したかどうかに対して評価を受けることになる。アベノミクスという看板があったからこそ、人々は安倍首相を信頼し、その他気に入らない点に目をつむることができた。しかし、残念ながら、現実にはその看板どおりになることはなかった。

■実質成長率2%を約束したが…

安倍首相自身が打ち立てた尺度でその成功度合を測ってみよう。安倍首相は、年間実質成長率2%で日本経済を安定的に成長させると約束した。しかし、現実にはその水準に近づくことすらなかった。

就任当初は、経済が好調さを取り戻したかに思われた。しかしそれは額面どおり受け取っていいものではなかった。というのも、2012年12月の選挙で自民党が勝利するまでの6年間、リーマンショックによる景気後退で経済は冷え切っていたのだ。

GDPは、リーマンショック前の2007年1〜3月期と比較して、1.4%下がっていた。つまり日本経済は、労働力や資本金はフル稼働からかけ離れた状態であったため、フル稼働に戻る過程で一時的に比較的高い成長率が記録されることは必然であった。

ちょうどそれが、安倍首相の就任後の5四半期、つまり2012年の10〜12月期から2014年1〜3月期に重なったのだ。その後安倍首相は消費増税を行い、2019年10月には再度消費増税を行った。どちらの増税時にも、景気は緩やかに後退した。

もし日本経済が根本的に健全であったなら、そうした景気後退は取るに足らない一時的な現象にとどまっていただろう。しかし長期的に見れば、その長期を具体的にどの長さと考えても、アベノミクスでは日本の潜在的な成長率を押し上げることができなかった。

その結果、2014年1〜3月期から2020年1〜3月期(新型コロナウイルス感染症の悪影響が見られるようになる前)の6年間のGDPの成長率は、合計で1.8%にとどまった。つまりこの6年間では、GDPは安倍首相が1年で達成すると約束した2%の成長すら達成できなかったのだ。

■個人消費はコロナ抜きでも低迷

加えて、人々の生活水準への悪影響についても触れなければならない。物価調整後の個人消費は、安倍首相の就任時と比較して、2020年1〜3月期には0.5%低下していた。繰り返しになるが、これは新型コロナウイルス感染症による経済への悪影響が見られるようになる前の時期の数字である。

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