共通テスト「公民」に奇異な問題は出題されない 「倫理、政治・経済、現代社会」はこう攻略する

東洋経済オンライン / 2020年9月5日 10時0分

問 ユダヤ教、キリスト教、イスラームの3つの宗教を共通に特徴づける事項を、下の①~⑧からすべて選べ。

①祈り  ②四書五経  ③預言者  ④多神教  ⑤神からの啓示 
⑥出家  ⑦徳治主義  ⑧一神教  

正解:①③⑤⑧

きわめて基礎的・教科書的知識で解ける問題です。なぜ正解率がこんなに低かったのか不思議ですが、基礎的知識に対する「迷い」のある生徒が多かったのではないでしょうか。

センター試験の4択問題は75%の知識と選択肢を消去するテクニックで解けました。共通テストは、選択肢が増え、上のような「すべて選べ」も出題されそうです。「ゆるぎない基礎知識」を持つことが必要です。勉強方法としては、センター試験時代のように「大体の流れをつかんだら4択問題をバンバン解く」のではなく、まず教科書を「きっちり覚えて」から問題演習にはいったほうがよいでしょう。

■それぞれの項目が網の目のように関係し合っている

③ 学習事項全体の流れ、枠組みを理解する

「きっちり覚える」は、言うは易し、実行するのは難しそうですね。確実な基礎知識とはどうやったら身に付くのでしょうか。用語や人名をただ「たくさん覚える」ことでは身に付きません。

「倫理、政治・経済」も「現代社会」も、扱っている内容は広範囲ですが、それぞれの項目が網の目のように関係し合っています。

例えば「少子高齢化」であれば社会保障問題や労働問題そして選挙や地方自治、日本の生産力など多くの問題に影響を与えています。それらを立体的に理解することが基礎知識を固め、応用力を身に付けることになります。

倫理分野でも、思想の大きな流れがあり、また互いの思想が影響を与え合っています。丸暗記ではなく、それぞれの思想が互いにどう影響しあっているかを理解しておくことが重要です。「広い視野を持って学習する」ことがゆるぎない基礎知識を固め、高得点につながります。

また、倫理でも政治・経済においても、1つひとつの用語が抽象的なので、それらを「自分の言葉で説明できるか」を自問自答しながら勉強する必要があります。その言葉を消化できていたら、自分なりの説明ができるはずだからです。用語が説明できないときは、学習が上滑りになっている証拠なので、もう一度学習しなおす必要があります。

■当たり前の勉強が高得点につながる

共通テスト試行調査「現代社会」「倫理」「政治・経済」に難問や奇問はほとんどありません。教科書的知識を、資料集なども活用しきちんと理解したうえで覚えるという、当たり前の勉強が高得点につながります。

新テストの目指すものは決して奇異なものではなく、地に足の着いた基礎的知識、思考力です。受験生の皆さんにはぜひ、ひるまずチャレンジしていただきたいと思います!

最後に、2020年度の入試は、初めての共通テストであるうえ、新型コロナウイルスという危機までからんでいるため、混乱や不安の中で不正確な情報があれこれ飛び交うこともあると思います。冷静に考えましょう。

最も注目の集まる初年度、受験生や高校や予備校からクレームがきそうな奇異な問題をあえて出題してどうなるのでしょう。「倫理」「政治・経済」「現代社会」も教科書や試行調査をふまえた良問が出題されると思います。不正確な情報に振り回されることなく、正攻法でいきましょう。

奥村 薫:Kobe International Junior&Senior High School、大阪明星学園・明星高等学校 非常勤講師

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