新政権はまず新型コロナ「指定感染症」の解除を 国民の疲弊と経済悪化・財政支援は限界に来た

東洋経済オンライン / 2020年9月14日 7時25分

次期首相は新型コロナの「指定感染症」扱いの見直しに踏み切れるか(写真:ロイター/Issei Kato)

安倍首相辞任と後継首相選びに注目が集まり、すっかり影が薄れたが、8月28日に政府からはもう一つ重要な発表が行われていた。それは、これまでの新型コロナ対策を見直すというものである。とくに注目されるのは、感染症法における新型コロナ対策の運用の見直しである。

現在、新型コロナは「指定感染症」に指定されており、「2類感染症以上の取り扱い」となっている。感染症法では、感染症を危険度によって最も高い1類から相対的に低い5類まで分類し、それぞれに該当する疾病と取りうる措置が明記されている。この分類とは別に感染症法では、「指定感染症」として、政令によって時限的に1~5類に相当する対応を準用できる。

■季節性インフルエンザと同等の扱いでよい

中国武漢市での感染拡大が伝えられた当初、新型コロナは「2類感染症相当」に位置付けられた。その後、1類で可能になる「無症状者への適用」が追加され、さらに、1類でも指定されていない「外出自粛要請」「建物の立入制限」なども加えられて、現在は「2類感染症以上」になっている。

8月28日には、新型コロナに「2類感染症以上の取り扱い」がふさわしいのかどうか、再検討することが表明されたのである。具体的な議論については、9月16日に発足する新政権が引き継ぐことになる。

では、感染症法における取り扱いをどのように見直すべきだろうか。筆者は「指定感染症」そのものを解除して、感染症としては季節性インフルエンザと同レベルの対応に変えるべきと考える。理由は以下の3点である。

第1に、足元までのデータで確認される限り、新型コロナは2類や1類に該当するほど危険性が高くなかったからである。

当初は未知のウイルスであり、中国武漢市での肺炎患者の急増などを踏まえれば、指定感染症とすることはやむをえない対応であった。しかし、その後半年を経て、新型コロナは「あらゆる犠牲を払ってでも回避すべき」といった脅威のウイルスではないと判断できるようになった。

例えば、季節性インフルエンザの場合、流行のピークとなる1~2月には、1日で40~50人が亡くなる。これに対して新型コロナでは、第1のピークであった4~5月には1日当たりの死亡者が14人、第2のピークであった8月では1日当たり9人であった。厳格な都市封鎖(ロックダウン)を行った米欧諸国で1日当たり100人以上の死亡者を出したのに対し、緩やかな活動制限しか講じなかった日本の死亡率は際立って低い。

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