「ITバブル崩壊は間近だ」と叫ぶ人が見逃す真実 2000年に崩壊した時と、どこがどう違うのか

東洋経済オンライン / 2020年9月14日 13時0分

「GAFA」や「FAANG」などくくり方はあるが、要は「ハイテク株は上昇しすぎ。だから暴落する」と思っている人は多い。何か見逃していないだろうか(写真:ロイター/アフロ)

9月第1週後半あたりから、アメリカのIT株に調整が広がっている。いわゆるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドットコム)といった、主要IT株を多く含むナスダック総合指数は、終値ベースで9月2日に高値1万2056ポイントをつけたのち下落基調に転じ、先週末11日は1万0853ポイントまで下押しした。その間のピークからの下落率は、10%をわずかながら欠けるものとなっている。

■「10%下落=調整期入り」の誤解

余談だが、8日火曜日の同指数の終値は1万0847ポイントと、先週末に比べてわずかながら低位で、終値ベースでの最安値だった。この水準は、ピークから10.03%下に当たる。8日も11日も、ピークからの下落率は小数点以下の差異しかないのだが、8日はぎりぎり10%の大台を超えたため、「10%超えで調整期入りした」との声が聞こえた。

ただ、この「10%を超えると調整期入り」というのは、かなり誤解されているのではないか。どうも多くの人が、「下落率が10%を超えるまでは、まだ相場が大きく戻るチャンスがある。だが10%を超えてしまうと調整期に入ってしまったわけだから、その後も調整期にふさわしい株価下落が、しばらく続くということだ」と考えているのではないだろうか。

実は、(筆者が信じている)本来の意味は、異なる。例えば、株価がある期間「上昇期」と言える上昇を続け、その後いったん反落し、そこからまた上昇基調に復したとしよう。

この反落した期間の下落率が10%に満たなければ、それは「調整期」ではなく、長く続いている上昇期のなかの、単なる一時的な下振れに過ぎない、と解釈される。そうではなく、下落率が10%を超えれば、上昇期→調整期→上昇期と、上昇期が一度途切れたことになる。それだけだ。

つまり、前述のナスダック総合指数の場合、9月2日のピークから少なくとも8日までの下落に、「調整期」というラベルを貼ることにする、ということしか意味はない。そのラベルは、これから先のこと、すなわち8日以降ももっとナスダック総合指数が深押しするのか、それとも8日が大底でその水準を超えてまったく下がることがないのかは、何も示唆しない。

それはともかく、こうした株価反落の背景として、まず株価自体をみて、短期的にはやはり買われ過ぎだったと言えるだろう。以下はすべて週平均値ベース(週内の日々営業日の終値の平均値)だが、機関投資家などがベンチマーク(運用成績を測るための市場全体の値動きを示す株価指数)として主に用いているS&P500指数と比べると、ナスダック総合指数をS&P500指数で割った比率は、2018~19年は主として2.7倍前後で上下していた。だが主に今年に入って上昇を強め、8月最終週は3.33倍にまで達していた。

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