中国発の「中東向け社交アプリ」が株式公開へ 創業者はZTE出身、本社はドバイ、開発は杭州

東洋経済オンライン / 2020年9月17日 18時0分

社交アプリ「Yalla」は中東地域をターゲットにしながら、その開発は中国で行われている(写真はYallaのウェブサイトより)

中国人が創業した中東地域向け社交アプリ「Yalla」(イエーラ)の運営会社が、アメリカのニューヨーク証券取引所でIPO(新規株式公開)を計画していることが明らかになった。9月8日、Yallaが提出したIPOの目論見書をアメリカ証券取引委員会(SEC)が開示した。

目論見書によれば、Yallaの設立は2016年。創業者で董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)の楊濤氏は、中国の国有通信機器大手の中興通訊(ZTE)に10年以上勤務し、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの現地法人総経理(社長)を務めた経験がある。共同創業者でCOO(最高執行責任者)許剣峰氏は、楊氏のZTE時代の同僚だ。

Yallaのアプリはアラビア語、トルコ語、英語、インドネシア語など8言語に対応しているが、中国語には対応しない。本社はUAEのドバイに置き、中国の浙江省杭州と広東省深圳に拠点を構える。ドバイ本社は営業、マーケティング、カスタマーサービスを担当し、プロダクトや技術の開発は杭州で行われている。深圳は財務や総務などの機能を担う。

■若者比率が高い中東市場の将来性に注目

現在の主力サービスは音声チャットルームの「Yalla」とオンラインゲームの「Yalla Ludo」(イエーラ・ルード)だ。目論見書によれば、2020年4~6月期の月間アクティブユーザー数は1250万人。中東および北アフリカの10カ国の総人口が2億4700万人であることを考えると、Yallaはまだ市場に広く浸透しているとは言いがたい。

だが、アクティブユーザーの4割を超える540万人が有料ユーザーであることは注目に値する。課金収入の大幅な増加により、Yallaの1~6月期の売上高は5280万ドル(約56億円)と前年同期比でほぼ倍増した。純利益は2520万ドル(約27億円)と前年同期の2.2倍に増加し、売上高純利益率は約48%と高い収益性を誇る。

Yallaによれば、中東および北アフリカ諸国の年齢の中央値は29.8歳であり、アメリカの38.5歳や中国の38.4歳に比べて人口に占める若者の比率が高い。このため、同社が業務を発展させる余地は非常に大きいという。

そんな中東市場の将来性に注目するのはYallaだけではない。中国のライブ動画配信サービス大手の歓聚集団(JOYY)は、2018年に立ち上げた社交プラットフォームの「HAGO」(ハゴ)を世界33カ国で展開し、2020年4~6月期の月間アクティブユーザー数は3170万人に達した。目下の主力市場である東南アジアを足場に、勢力を中東地域に広げようと虎視眈々と狙っている。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は9月10日

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