コンビニがいま総菜と冷凍食品に力を入れる訳 コロナ後の戦略は「内食」と「外食」にも照準

東洋経済オンライン / 2020年9月20日 7時30分

都内のファミリーマート店舗では、PB商品である豆腐や納豆などの陳列が増えている(記者撮影)

都内のとあるファミリーマート。店内を歩くと、緑色のパッケージに入れられた豆腐や納豆、こんにゃくが目に飛び込んでくる。

同社のプライベートブランド(PB)商品である「お母さん食堂」では、豆腐などの賞味期限が短い素材系の食品が緑色のパッケージで、ビーフシチューやハンバーグなど調理済みの料理はえんじ色のパッケージで展開されている。

豆腐などのPB商品は以前から店頭に並べられていたが、ここまでの存在感はなかった。この店舗では9月に入り、うどんやサンドイッチなどを減らし、緑色の「お母さん食堂」の陳列を増やしている。

■冷凍食品と総菜に商機

新型コロナウイルスの感染拡大後、コンビニ各社は商品戦略や売り場の変革を加速させている。

セブン-イレブン・ジャパンの高橋広隆商品本部長は、「コロナ前の感覚を(感染が拡大した3月ごろから)2、3カ月経つうちに捨てた。芽が出ている分野には集中的に水をやって、すぐに花を咲かせる」と話す。

高橋氏の言う「芽が出ている分野」とは冷凍食品と総菜だ。7月には冷凍食品の1店舗当たりの売上高は前年同月比で1.5倍に、サラダやカップに入った総菜は一部地域で同2倍にまで伸びた。以前から進めていた冷凍食品売場の拡大などのレイアウト変更とあわせて、冷凍食品や総菜の商品開発と改廃を一層強化する構えだ。

コンビニの顧客はこれまで、自宅そばや駅の近く、職場付近など複数の店舗を利用していた。よく購入される商品は、移動中でも食べやすい、おにぎりやサンドイッチが主力商品だった。

しかし、新型コロナウイルスが拡大した3月以降、コンビニ各社の既存店売上高は減少傾向が続いている。2009年から「近くて便利」を掲げ、ファミマやローソンとの差をつけている業界首位のセブン-イレブンですら前年同月比マイナスが続いている。

既存店売上高の減少は客数の減少が原因だ。外出自粛によりまとめ買いをする顧客が増えて客単価は伸びる一方、通勤途中にコーヒーを買うといった需要がなくなり、来店頻度が減少した。ローソンのPonta会員のデータで2020年2月と6月を比較すると、店舗から半径354メートル以内(徒歩5分圏内)に居住する人の来店数は2%増加しているが、店舗から自宅の距離が離れるほど来店頻度が落ち込んでいる。

■客単価を上げる取り組みも

都心部のオフィス街や観光地での販売減少が大きく、住宅地での売り上げ増加ではカバーできなかった。詳細な数字は非公表だが、コロナ後は売れ筋商品も変化しており、各社ともおにぎりやパンなどの販売減少によって打撃を受けている。

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