菅首相、「解散権行使」へ取りうる2つの選択肢 コロナ禍での「年内解散」に踏み切れるのか

東洋経済オンライン / 2020年9月26日 7時10分

各党にあいさつ回りする菅義偉首相。2021年にかけて解散時期を模索している(写真:アフロ)

菅義偉政権が発足してから10日が経過した。菅首相は持論の縦割り行政打破を旗印に、デジタル庁新設や携帯料金値下げ実現に向け、矢継ぎ早に指示を繰り出し、実績作りに邁進している。

その一方、高い内閣支持率を背景に自民党内では早期の衆院解散論も湧き起こり、永田町は解散風に揺れている。

しかし、解散にはハードルが多い。コロナの感染収束が大前提で、しかも11月に日程が集中する首脳外交への対応や年内成立が必要な協定・法案処理のための国会審議を抱えている。

■立ち消えになった秋口解散説

各種世論調査では就任時の内閣支持率が歴代3位の高率となり、自民党の下村博文政調会長は「自民党議員のほぼ総意で即解散」とあおるが、野田聖子幹事長代行は「解散強行で、国民に説明責任を果たせるのか」と牽制する。菅首相にとっても「強引な解散で国民の支持を失う」との不安は拭えず、当面は「慎重な検討」(側近)を続けることになりそうだ。

菅政権の発足当初、内閣と自民党の支持率急上昇を受けて秋口解散説が流布され、与野党の衆院議員は一斉に事務所確保などの選挙準備に動いた。その際想定されていたのは、「9月末に臨時国会召集、所信表明・代表質問後の10月上旬に解散、同25日か11月1日投開票」という日程だった。

しかし、自民党が菅首相の意向も踏まえて臨時国会を10月23日か26日に召集する方針を野党側に伝えたことで、秋口解散説は立ち消えとなった。このため、自民党内では、年明けも含めた早期解散説と、2021年9月の自民党総裁選後の事実上の任期満了選挙説が交錯する状況となっている。

今後の政治日程も考慮して解散と総選挙のスケジュールを予測すると、「年内」と「年明けから来春」、「来秋」の3つの選択肢が浮かび上がる。まず年内のケースだが、臨時国会が10月23日か26日に召集された場合、所信表明・代表質問後に菅首相が解散に踏み切れば、11月10日公示―同22日投開票の日程が有力だ。

ただ、11月中下旬には菅首相の首脳外交の初舞台となるAPEC首脳会議(11日~12日)やG20首脳会議(21日~22日)に加え、3日のアメリカ大統領選で現職のトランプ氏が再選した場合には、中旬にもワシントンでのG7首脳会議(サミット)開催も想定される。解散すれば菅内閣は「職務執行内閣」となるため、「外交儀礼上はありえない」(外務省幹部)との指摘が多い。

自民党は臨時国会の会期を12月上旬までの50日間程度とする方針で、年内に国会での議決が必要な日英経済連携協定(EPA)や2021年夏の五輪開催に伴い、祝日を移動させる特別措置法案などを処理する構えだ。ただ、「召集から案件処理まで最低でも3週間以上が必要」(自民国対)とされる。

■コロナで総選挙どころではなくなる

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