災害で寸断の鉄路、復旧「補助」の条件は何か 行政だけでなく民間の持続的な支援も必要だ

東洋経済オンライン / 2020年10月7日 10時20分

熊本県の第三セクター「くま川鉄道」は、7月の豪雨で写真の橋梁が流出するなどして運転再開の見通しが立っていない(写真:TincusGuin/PIXTA)

九州を襲った7月の豪雨災害から3カ月。熊本県の第三セクター「くま川鉄道」は橋梁流出、施設の浸水などの大きな被害を受け、いまでも運転休止が続いている。復旧には数年もの期間を見込んでいるという。

■鉄道復旧に向けた補助制度

被災した鉄道が復旧をする場合、その費用を行政が補助する制度が2つある。

1つは、鉄道軌道整備法第3条第1項第4号、激甚災害の場合には同法第8条第5号による復旧支援の手段である。この場合には国から復旧事業費の4分の1、特段の必要がある場合には3分の1まで補助を受けることができる(鉄道軌道整備法施行令第2条第1項)。

これとは別に、「特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業費補助」(以下「大規模災害鉄道復旧補助」と略する)の制度がある。この補助の場合には鉄道軌道整備法によるよりも補助率が高く、復旧費用の2分の1以内で国の補助を受けることができる。

筆者が調べた限りでは根拠条文が必ずしも明らかではなかったが、大規模災害からの復興に関する法律(以下「大規模災害復興法」)は第57条において、「…当該特定大規模災害からの円滑かつ迅速な復興のため特別の必要があると認めるときは、…別に法律で定めるところにより、当該特定大規模災害からの復興のための財政上の措置その他の措置を速やかに講ずる」と規定しており、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律が存在するので、これに基づく制度と思われる。

■補助を受ける条件

大規模災害鉄道復旧補助を受ける場合、当然ながら条件がある。「特定大規模災害等」(大規模災害復興法第2条第9号)によるものと認定されることが第1の条件だが、そのうえで、

①その復旧事業が民生の安定上必要であること
②復旧事業費の額が災害発生の日が属する事業年度(基準事業年度)の前事業年度末からさかのぼって1年間における鉄軌道の運輸収入以上の額であること
③災害復旧事業を行う路線を有する鉄道事業者が次のいずれにも該当すること
ⅰ基準年度の前事業年度末からさかのぼって3年間、各年度の鉄軌道事業の損益計算において経常損失もしくは営業損失が発生していること、または、適切な経営努力がなされても当該の災害によって基準年度以降おおむね5年間を超えて各年度の鉄軌道事業の損益計算において経常損失もしくは営業損失が確実と見込まれること
ⅱ鉄道事業だけでなく当該事業者が経営するすべての事業について③と同様の要件を満たしていること
ⅲ補助を受けずに災害復旧事業を施行した場合、その経営安定に支障が発生すると見込まれること
④復旧後の当該路線の長期的な運行(10年以上の運行に限る)が確保されることが確実と見込まれること
⑤当該災害を受けた鉄軌道の収益のみによっては、当該鉄軌道の運営に要する費用(災害復旧事業費を除く)を償い、かつ、当該災害復旧事業に要する費用を回収することが困難と認められること 

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