「パパ育休」は収入減に見舞われるという誤解 取得の仕方によっては手取りが増えるかも

東洋経済オンライン / 2020年10月12日 10時20分

育休手当は給料の67%ですから、40万円×67%=26万8000円です。一方、ボーナスからは税金のみ差し引かれますから、70万円のボーナスは、手取り63万円ほどになるでしょう。育休手当とボーナスを合計すると手取りは89万8000円です。育休を取得しないときに比べて、4万8000円増えました。

ただし、ボーナス月以外で育休を取得するときは、手取りは育休手当の26万8000円のみです。普段の手取りが32万円なので、16%ほど収入が減ることになりますが、育休手当は給料の67%(つまり33%の減少)にもかかわらず16%の手取り減少にとどまると考えることできます。実質は8割余りの収入を確保できるのです。これは、育休手当には税金も社会保険料もかからないからです。ボーナス月以外に育休を取得しても、家計には致命的な影響を与えるほどではないといえるでしょう。

■5日間の取得なら手取りはほぼ変わらない

さて、1カ月育休を取得するケースで手取りの違いを計算しましたが、実際、1カ月も育休を取得する男性は少数派です。「平成30年度雇用均等基本調査」によると、取得期間は「5日未満」の割合が約4割と最も多くなっています。

では、もし5日間育休を取得したら手取りはどうなるでしょうか。

仮に10月26日から10月30日まで育休取得するとしましょう。10月1日から10月25日までは、会社が休みの日を除いては仕事をしています。したがって、給料をもらうことができます。本来の出勤日数の8割出勤したとすると、40万円の8割、32万円が支給されることになります。

残りの5日間(10月26日〜30日)は育休を取得しますから、10月については社会保険料免除月となり、給料に対して社会保険料が免除されます。32万円から差し引かれるのは税金だけとなり、手取り27万円ほどになります。そのうえ育休手当を5日分もらうことができます。社会保険料も税金もかからない育休手当は5日分で4万5000円ほどです。すると、給料と育休手当合わせて、手取りは合計31万5000円。育休を取らないときの手取りが32万円ですから、ほぼ変わらない金額になります(ただし、住民税が非課税になるのは翌年ですから、育休期間中は前年の収入に対して住民税を支払うことになります)。

このように、ポイントを押さえて育休を取得すれば、手取りの収入が大きく減ることはありません。しかし、忘れてはいけないのは、育休とは育児という仕事をするために会社の仕事を休む制度である、ということです。社会保険料を免除するための制度でも、自分の体を休ませる制度でもありません。そして育児とは、昼夜関係なく赤ちゃんのお世話をするということです。

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