日本株が米大統領選で揺れても上がる条件とは 「国の体幹」を強化する政策は長期の株価に効く

東洋経済オンライン / 2020年10月14日 17時0分

一方、経済政策について詳細は今後順次打ち出されていくことになりそうだ。現時点で言及されているもので目を引くのは、「デジタル庁創設・デジタル化推進」に加え、「地銀再編」と「携帯電話料金の引き下げ」。また、消費税と絡めて社会保障にたびたび言及している点からは、「社会保障改革」への関心もあるようだ。

現時点での業種別の影響としては、デジタル化の推進によって、テレワーク、オンライン診療(遠隔医療)、オンライン教育(授業)、行政デジタル化(脱ハンコ)などの進展が予想される。とすれば「ITサービス」や「キャッシュレス決済」関連銘柄や、地銀再編で「金融」にプラスの影響があると考えられる。すでに10月9日には、初診を含めた映像使用のオンライン診療が原則解禁された。

一方、「通信」にとっては逆風の環境となり、「ITサービス」でも、中央省庁システムのシェアが高い大手のベンダーは、オープン化が進むことにより、むしろ既存システムでの収益性悪化懸念もある。

政府はすでに9月23日、「デジタル改革に関する関係閣僚会議」を開いている。これは菅首相が「行政デジタル化の切り札」と位置づけている看板政策を実行する推進母体であり、担当する平井卓也デジタル改革相のほか、河野太郎行政改革・規制改革相ら全閣僚が出席した。

菅首相は、デジタル庁について「官民問わず能力が高い人材が集まって社会全体のデジタル化をリードする組織にする必要がある」「そのための検討を加速し年末には基本方針を定め、次の通常国会に必要な法案を提出したい」と発言した。

すでに9月30日「デジタル改革関連法案準備室」を設置、関係省庁から40~50人規模を集め、10月9日には目安箱(デジタル改革アイデアボックス)も開設した。今後の「デジタル庁」設立までの具体的なスケジュールは以下のとおりだ。12月末までに「デジタル改革の基本方針」をとりまとめ、2021年1月「関連法案」の国会提出、同年4月「関係法」施行により、マイナンバーの口座連動導入、オンライン診療・デジタル教育の恒久化、2021年秋までに「デジタル庁」設立を目指す。

このなかで注目したいのは「マイナンバー」だろう。健康保険証や運転免許証など他の資格とマイナンバーの連動も進め、カードなしでもスマートフォンで本人の確認ができる仕組みも検討する。

政府は2021年にも「個人のマイナンバー」と「預貯金口座」を連動させ、個人向けの給付の手続きなどをマイナンバーカードだけでできるようにする方針だ。ただ、残念ながら、口座との連動は義務化せず、個人が選択できるようにする見通しだ。例えばデンマークやエストニアでは各国民の番号(個人のマイナンバー)と預貯金口座が連動しており、こうした仕組みなら政府が対象や期間を限定してサービスができ、効率性も高く導入に値しよう。今後、日本政府がマイナンバーを口座などと連動させていく場合は、やはり万全な安全対策と国民の理解が必要になる。

■「デジタル庁」早期スタートなら日本株に長期でプラス

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