N-ONEが前例のないモデルチェンジをした理由 外観を変えず中身だけを刷新した新型車の意味

東洋経済オンライン / 2020年10月15日 7時10分

ホンダは2020年9月11日、突如、この秋にフルモデルチェンジを予定する新型の軽自動車「N-ONE」の写真をホームページで公開した。驚かされたのは、そのルックスだ。なんと、ほぼ先代そのまま。旧型の写真と並べてみて、ようやく変化がわかるほどしか変わっていなかったのだ。

しかも、“どこかで見たような~”と思い返してみれば、今年1月に開催された「東京オートサロン2020」にカスタマイズモデルとして出品された「N-ONE Café Racer Concept」のデザインが、新型そのままであったのだ。オートサロンでは、“旧型のカスタムです”といった体裁で次世代モデルを大胆にも出品していたのだ。これには二重に驚かされた。

ちなみに昨年2019年7月には、兄弟車とでも呼べる「N-WGN(エヌワゴン)」が、中身とデザインの両方を一新するフルモデルチェンジを実施している。当然、新しい「N-ONE」もメカニズムは同じものを利用するはず。つまり、中身は一新しながら、外側は古いままに残すというフルモデルチェンジになるのだ。

では、いったいホンダはどのような理由で、次世代N-ONEへのフルモデルチェンジを、異例な方法で実施したのだろうか。

■ミニやラングラーはデザインを変えない

“メカニズムを最新にアップデートしつつも、デザインは古いまま残す”というフルモデルチェンジは、日本車の場合、ほとんど聞いたことがない。逆に“中身はそのまま、外のデザインだけを新しくする”というケースは、数多い。

中身をそのままにデザインを変えるだけのほうが、開発費は当然のように安くあがるからだ。逆のパターンはコストがかかるばかりで、見た目の新鮮さがないため、メリットが少ない。それが、これまで日本車にそうした“中身だけアップデート”というフルモデルチェンジがなかった理由だろう。

しかし、海外に目を向けると、そうした“デザインそのままに、中身を新しく”という例は珍しいものではない。例えば、過去4年にわたって日本で最も売れている輸入車(JAIA調べ「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の推移」から)の「BMWミニ」がある。

BMWミニは、2001年に初代がデビューしてから、すでにいくつか世代を重ねているが、そのフルモデルチェンジは毎回、非常に微妙なもので、詳しくない人であれば、その変化に気づかないだろう。

また、2018年に発売された新世代のジープ「ラングラー」も、新型と先代モデルのデザインの差は非常に小さい。さらに言えば、ポルシェの代表モデルである「911」も、旧世代のイメージを濃厚に残すフルモデルチェンジを行ってきた。

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