今こそ日本人が「ストライキ」をするべき理由 小さな行動が社会全体を変えるかもしれない

東洋経済オンライン / 2020年10月16日 9時0分

世界中でストライキの動きが加速しています(写真:CORA /PIXTA)

新型コロナウイルスの影響で、世界中の人々が会社を解雇されたり、生活苦を余儀なくされています。とくに介護や保育などの、いわゆるケアワーカーによるストライキは、各国でも増えつつあるようです。『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』を上梓した、NPO法人POSSE代表の今野晴貴氏は、日本でもストライキがもっと行われるべきだと主張します。その真意とは??

新型コロナの経済への猛威が止まらない。9月1日にも、7月の派遣労働者の数が、前年同月から16万人も減少していたことが発表されたばかりだ。

筆者はNPO法人「POSSE」の代表として、例年3000件以上の労働・生活相談にかかわっているが、今年はコロナ関連の労働・生活相談だけで、すでに4000件を超えている。新型コロナ関連の相談でもっとも多いのは、「休業手当がもらえない」というものや解雇・失業に関するものだ。

しかし、緊急事態宣言が解除されて以降は、職場の「3密を改善してほしい」「満員電車を避ける時差出勤やテレワークを認めてほしい」といったものが増えている。

とくに、介護、保育など人々が日常生活を送るうえで欠かせない「エッセンシャルワーク」に従事する労働者は、危険な職場環境でも出勤せざるをえず、「3密」対策の不備は非常に深刻な問題だ。そんな中で今、海外では「ストライキ」が頻発している。ケアワーカーたちが職場のコロナ対策を求め、立ち上がっているのである。

■海外のストライキは賃上げだけではない

日本でストライキと言えば、交通や製造業を中心に、中高年のはちまきや腕章をつけた男性たちが、「ベースアップ」や「賃上げ」を叫ぶ風景が思い浮かぶだろう。

しかし、海外では「賃上げ」にとどまらない社会的な要求や、職場のあり方をも変えるような闘いが行われている。とくに、教育や介護などのケア産業を中心として、「労働の質=ケアの質」を問うようなストライキが主流になっている。

ケア産業においては、労働者=サービス提供側の労働環境が、そのままケアの受け手側の健康や人生にも影響するからだ。そこには単なる労働者側の都合だけにとどまらない、社会的な正義も絡んでいるのである。

海外と日本ではストライキの件数も桁違いだ。次の2つの図をご覧いただきたい。図1は日本におけるストライキの件数と労働損失日数(労働損失日数とは、半日以上のストライキまたは作業所の閉鎖が行われた期間の労働者延べ人員数に対応する所定労働日数)を示している。

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