日本人がゾッとするアメリカ超監視社会の現実 データを集める警察を市民はチェックできるか

東洋経済オンライン / 2020年10月17日 12時20分

アメリカの超監視社会は巨大化していっている(写真はイメージ、写真:Motortion/iStock)

「助けて……息ができない」。アメリカ・ミネソタ州のミネアポリスで、そう訴えながら黒人男性ジョージ・フロイドさんが死亡した事件は、世界中に衝撃を与えた。フロイドさんを強引に拘束する警察官の動画はSNSで拡散され、怒りと抗議のデモは「ブラック・ライブズ・マター」のムーブメントとともに全米各地の路上を覆いつくした。

フロイドさんの死後も、アメリカでは警察官による市民への発砲、殺害事件が後を絶たず、大統領選挙の争点にもなってきた。こうした警察の問題に対し、アメリカの調査報道記者たちはどう向き合っているのだろうか。9月下旬、オンラインで開催された国際調査報道会議に参加してみると――。

■警察の監視システムを監視する

「『地域の警察署がどんな監視システムを使っているのかを教えてほしい』という問い合わせが、ここ数年、アメリカ各地の記者たちからたくさん寄せられてきました。それなら、警察の監視システムが一目でわかるデータマップを制作しようと思ったんです」

そう語るのは、デーブ・マースさんだ。国家監視システムの調査分析を専門とする研究者であり、アメリカの非営利団体「エレクトリック・フロンティア・ファウンデーション(EFF)」に所属している。EFFは、インターネットやテクノロジーの発展によって年々高度化する政府や警察の情報監視システムに対し、市民のプライバシーや表現の自由、人権を守ることを目的に1990年に設立された。

今年7月、マースさんらが新たに開発したオンライン・データベース「監視の地図(アトラス・オブ・サーベイランス)」が一般公開された。

ウェブサイトにアクセスすると、アメリカの地図が表れる。そこには「監視カメラ」や「顔認証機能」といった警察が導入している12種類の監視システムが表示されている。地図上をクリックすれば、どの州のどの警察署がどんなツールを使用しているのか、一目でわかる。テクノロジーを使って市民を監視する警察を、市民が監視できる画期的なウェブサイトだ。

デジタル時代の警察の監視システムをマースさんは「マス・サーベイランス(大量監視)」と呼ぶ。

「警察はあらゆる情報を大量の人たちから集めています。このうちの誰かがいつか犯罪を犯すかもしれない、という想定で。それらの情報を監視テクノロジーによって分析し、犯罪傾向などを示すアルゴリズムを生み出しています。しかし、アルゴリズムは正しいとは限りません。(誤った判断によって)マイノリティーのコミュニティーや特定の人種が集中的に逮捕される危険があるのです」

■テクノロジーの発展による大量監視時代

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