菅政権に新たな火種、「ダブル杉田」問題の深刻 学術会議問題と「女はうそをつく」発言で大混乱

東洋経済オンライン / 2020年10月17日 9時10分

「ダブル杉田問題」に悩まされる菅義偉首相。写真は全世代型社会保障検討会議で発言する管首相(右端、写真:時事)

菅義偉政権発足後初の臨時国会が10月26日に召集される。菅首相にとって就任から40日での国会論戦の初舞台となる。

しかし、政治的に大炎上した日本学術会議の会員任命拒否問題のほかにも数多くの火種を抱え、政府与党内でも「菅政治のアピールどころか、防戦一方になりかねない」(自民幹部)との不安が広がる。

衣替えしたばかりの新立憲民主党を中心とする主要野党は、「安倍晋三・前政権以上に強権的」(立憲民主幹部)と、菅首相の政治手法を中心に攻撃している。学術会議問題では、舞台裏で暗躍したとされる杉田和博官房副長官(事務)を国会招致し、任命拒否の闇を徹底追及する構えだ。

■「ダブル杉田」が泣きどころに

主要野党はさらに、「女性はいつでもうそをつく」というトンデモ発言で批判を浴びた自民党の杉田水脈衆院議員についても、自民党総裁でもある菅首相に厳しい処分を求める方針。このため、菅首相にとって、「『ダブル杉田』が国会答弁の泣きどころ」(自民国対)となりそうだ。

7年8カ月という官房長官在任最長記録を誇る菅首相だが、毎日の記者会見や国会答弁では「問題ない」「指摘は当たらない」などの紋切り型の答弁で「鉄壁ガースー」と呼ばれてきた。しかし、「首相になると、それでは済まない」(閣僚経験者)だけに、2人の杉田氏の問題についても「トップリーダーとしての説明能力が厳しく問われる」(同)ことになる。

学術会議会員の任命拒否問題が10月1日に表面化して以来、菅首相の説明も迷走している。当初、「(任命権者として)総合的、俯瞰的に判断した」と発言したが、その後、「推薦リストは見ていない」と説明を変え、主要野党などから「首相がリストを見ないで任命拒否したのなら違法」と厳しく批判された。

加藤勝信官房長官はすぐさま、「(任命リストを)詳しくは見ていなかったことを指しているのだろう」と擁護したが、政府与党内にも「首相自身が任命拒否の理由をきちんと説明しないと国民の理解は得られない」(公明幹部)との声が相次いでいる。

その一方、政府関係者が「事前に事務レベルの調整で6人の任命拒否を決めて首相に上げた」と指摘したことで、任命拒否を決めた当事者として杉田官房副長官の名前が浮上した。

■官房副長官の国会招致はレアケース

政府側は「杉田氏は内閣のすべての案件を事前調整する官僚機構のトップ。しかも、内閣人事局長を兼務しているので、人事案件で調整するのは当たり前」(内閣官房)と主張。ただ、学術会議法で「推薦に基づいて首相が任命する」と規定されているため、「首相に代わって勝手に任命拒否を決めたなら、明らかな越権行為」(共産幹部)となりかねない。主要野党は次期臨時国会での予算委審議などの場に杉田氏の参考人招致を要求している。

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