「田舎の親の空き家」をお荷物にしない再生術 放置すれば「強制撤去」で高額費用請求の恐怖

東洋経済オンライン / 2020年10月18日 8時0分

両親が亡くなり、古い荷物だらけの実家が空き家になってしまった……。放置していると、行政代執行で解体され、高額な費用を請求されるおそれも。コスパよく片付ける方法とは?(写真:ロストコーナー /PIXTA)

少子高齢化が社会の大きな問題になる中で、空き家の増加が深刻度を増しています。筆者は夫婦問題(パートナー)コンサルタントとして数多くご相談を受けていますが、最近目立つのが、親名義の家の相続にまつわるトラブルからヒビが入ってしまうケースです(そこから浮気・モラハラ・ヒステリー・うつ病などへ発展してしまうケースもあります)。

夫婦の親が元気なうちに、家の処分についてきちんと考えることができればいいのですが、そうならないことが圧倒的に多いのが現状です。相続の分け方は一筋縄ではいきません。解体するだけでも多額のコストがかかります。そのため、親が亡くなった後も、どうすることもできず、放置されている空き家が少なくありません。

■半世紀前から上昇し続ける日本の「空き家率」

総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」から調べてみると、実はこの空き家問題、ここ数年の問題ではなく、さかのぼることかなり前から兆候が表れています。

昭和43(1968)年⇒全国で住宅総数が世帯総数を上回る(空き家率:1.01%)
昭和48(1973)年⇒全都道府県で住宅総数が世帯総数を上回る(空き家率:5.5%)

平成30(2018)年には、住宅総数6241万戸に対し世帯総数は5400万世帯となり、「空き家率」は13.6%まで上昇しています。

空き家の「総数」は、この20年間で約1.5倍(576万戸→849万戸)に増加しています。とりわけ、何かしらの理由で人が住んでいない住居は、20年間で2倍弱(182万戸→349万戸)も増えています。空き家の総数は今後、さらに増えていく可能性が大きいのではないでしょうか。

というのも、空き家問題の背景には「土地神話」も横たわっているようなのです。今の30~40代の親世代、「アラ70~80代」の人たちは、日本の高度成長期に青春時代を送りました。

就職後はバブル景気の中で企業戦士のように働き、給料も右肩上がりに上昇しました。そして「土地は必ず値上がりする」といわれる中で、都心から離れたところであってもマイホームを購入した人が少なくありません。子どもの成長や転勤などで生活に変化があったときも、手にしたその家は「将来は子どもが住めばよい」と売却することなく、むしろ担保物件として、新たな不動産を追加購入するために使ってきた──という人が多いのです。

ところが、家が老朽化した今、子どもたちは都心部へ移り住み、古くて不便な不動産には見向きもしなくなりました。借金はないものの、家の資産価値は大幅に値下がりし、場所によっては半減どころか、10分の1程度になっている家もあります。なんと切ない話でしょうか。昨今、ローン審査が厳しくなり、若い夫婦の審査が通らない様子を見ている筆者としては、当時の銀行の無謀な融資に悲憤してしまうのです。

■長期間放置すると「特定空き家」に指定される

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