大学は学歴から「学習歴」が問われる時代になる 単位互換進み大学名だけでは評価できなくなる

東洋経済オンライン / 2020年10月21日 10時10分

世界中にある大学の講義を受講して学位を取得することも可能になる時代がやってきた (写真:Jomkwan7/PIXTA)

オンライン普及後の大学の未来はどうなるのか――。

10月15日配信記事「大学は『オンライン化』で根本的に変わっていく」では、授業のオンライン化が大学に及ぼす影響について述べた。ここではオンライン講義は、教室での従来の講義を単にオンラインに置き換えただけのツールではなく、大学の教育改革・入試改革に結びつく重要なテーマであること紹介している。

今後、オンライン授業が教育の多数派(マジョリティー)となっていく場合、あらゆる授業は場所や時間を問わずに受講できるものとなる。たとえば、キャンパスは日本にありながら、世界中の学生が“来日することなく”日本の大学に留学したり、日本の学生がアメリカやイギリスの大学の授業を受講したりといったことが容易になる。つまり、入学した大学の授業だけを受け続けるという必要性は理論上、皆無となると言ってよい。

オンライン化によって学生が世界中の教授の講義を受講できるようになると、学生たちは、複数の大学で同一または類似のテーマの講義を展開している場合、自分にとって「最も良い授業を調達」するようになるだろう。そうなると次の2つのテーマが議論される。第1に単位、第2に教員の存在意義である。

■学生は“最も良い授業”を幅広く調達

まずは単位についてみてみよう。近年、他大学の科目を履修して、それを単位として認定する動きが広がっている。留学先の授業を学問体系に基づいたナンバリングなどを活用することによって単位認定するといったことは以前から行われてきた。

日本ではそれに加えて、学校間の単位互換制度が進みつつある。直近の例として、大阪府内の39大学で構成される特定非営利活動法人 大学コンソーシアム大阪が単位互換科目を設定し、オンラインなどで受講し、相互に単位認定する仕組みを整備している。こうした大学同士のコンソーシアム化が、今後大学数や互換授業数ともに拡大していくだろう。

2020年7月、文部科学省は「大学等連携推進法人」の制度を一部改変し、同一の大学法人内であれば、授業科目を相乗りして良いというルールに改めた。この緩和によって、日本全国で法人統合など大学のグループの再編が進むものとみられる。

海外の例で歴史があるのは「ボローニャ・プロセス(The Bologna Process)」だ。ヨーロッパ各国の大学の学位認定を一定の基準でそろえることで、ヨーロッパの大学のポートフォリオを強化することが目的だが、学生にとっては各国の高等教育機関の相互の単位が認められるため、学生個々人にとってベストといえる授業の選択の幅が広がる。

■オンライン化で学習歴が加速

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