不器用な子が「暴走する大人」になる1つの経緯 「生きづらさ」を見逃された子どもの"その後"

東洋経済オンライン / 2020年10月26日 12時20分

暴走する大人は、「生きづらさ」を持った子どもたちがそのまま大人になった可能性もあるかもしれません(写真:yukiotoko/PIXTA)

“あおり運転”で事故を起こす大人や、コロナ禍の中で不適切な言動をする大人など「どうしていい年をした大人が、こんなことをしてしまうのか?」という事件が多々ある。そんないわゆる“厄介な大人”たちは、実は「生きづらさ」を持った子どもたちがそのまま大人になった可能性もあるかもしれないというのは、『不器用な子どもがしあわせになる育て方 コグトレ』を上梓した児童精神科医の宮口幸治氏だ。

■あおり運転をする大人たち

ニュースを見ていると、何度も万引きを繰り返す大人、ちょっとしたことでいきなりキレる大人、近年のあおり運転事件、新型コロナウイルスで自粛が求められる中での不適切な行動など、「どうしてそんな馬鹿なことをするのだろうか?」と不思議に思うような事件が時々あります。

こういったよくわからない行動をする大人が生まれる背景には、次のような原因も考えられるかもしれません。

世の中には、「生きづらい人々」がいます。「境界知能」(「知的障害グレーゾーン」ともいう)という、かつて「軽度知的障害者」と定義されていたIQ70~84までの、さまざまな困難さを抱える人々のことです。この「知的障害グレーゾーン」は、実に人口の約14%(日本では、約1700万人)に相当します。

この障害程度の軽い軽度知的障害やグレーゾーンは、日常生活でさまざまな困難に直面しているにもかかわらず、健常人と見分けがつかず、さらに軽度といった言葉から「支援もあまり必要でない」と誤解されるため、支援を受ける機会を逃してしまうのです。

もし、この「生きづらい人々」が、子どものうちになんの支援も受けずにそのまま大人になったら、いったいどうなるのか……。つまり、冒頭のよくわからない大人のように、さまざまな局面で、次のようなトラブルにつながる大人になってしまう可能性があるかもしれません。

「認知力の弱さ」から……

・仕事のミスが多い
・仕事が覚えられない
・仕事が続かない
・時間を守れない

「対人力の弱さ」から……

・上司や同僚の気持ちが想像できない
・カッとなって取引先とトラブルになる
・失敗しても反省できない
・うまい話に流されやすい
・他者からのアドバイスが聞けない
・プライドだけは高い

「身体力の弱さ」から……

・細かい作業ができない
・物を作ったり、うまく運んだりできない
・力加減ができず物をよく壊す

こういった大人があなたの職場や近くにいたらいかがでしょうか? 大人のくせに、もっとしっかりしてほしい、と思わないでしょうか。生きづらかった子どもたちは、そのまま大人になるとこのように“不器用な大人たち”と見えてしまうことがあるのです。

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