サザエさん「5連続パー」を奇跡だと感じる理由 統計学上、出る手の確率はいつも同じだが…

東洋経済オンライン / 2020年10月29日 15時20分

ルーレットで赤か黒が出る確率や「美人」かどうかと認識するのは、脳が「シンメトリーな結果」を求めているからだといいます(写真:SIphotography/iStock)

脳科学者で、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍する中野信子氏と、ベストセラー著作を多く抱える行動経済学者の真壁昭夫氏が、共著『脳のアクセルとブレーキの取扱説明書 脳科学と行動経済学が導く「上品」な成功戦略』を出版しました。

「成功者」の脳の中で起こる現象や行動のポイント、さらには子育て・外見・人間関係といった多くの人が抱える悩みに対し、脳科学と行動経済学の観点から対処法を示しています。

本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

中野:テレビアニメの「サザエさん」(2020年6月7日放送回)で、次回予告の後に行われるジャンケンにおいて、サザエさんが「5回連続で同じ手」を出していると話題になりました。

私は、まったくありえる話なのに、皆が奇跡だと思っていることこそが面白い、と感じました。

これは統計の誤謬。これには皆さんもだまされてしまうようで、株式市場などマーケットの世界でも、同じようなことは起こるそうです。

今回はマーケットの動きについて、行動経済学と脳科学の分野から分析していきたいと思います。

■株が3日連続で上昇すると翌日は下がる?

真壁:日経平均株価が3日連続で上昇したとしましょう。では、4日目もこのまま上がるのか、それとも下がるのか?

「3日も連続で上がったから、そろそろ下がるかもしれない」 ――。株式投資をやっている人ならば、こんなふうに思った経験があるのではないでしょうか?

また、連騰が続いたので、そろそろ下がるだろうと思って買いポジションを処分したところ、まだまだ上がって悔しい思いをした、そんな経験がある人も多いかもしれません。

これは行動経済学でいうところの、「ギャンブラーズ・ファラシー(ギャンブラーの誤謬)」というテーマです。

株価が3日続けて上がる話と同じように、例えばルーレットを回して赤が3回続けて出たとします。そうすると、多くの人が「4回目は、そろそろ黒が来るだろう」と思い込んでしまいがちなのですが、実際に次のルーレットで出る色の確率は変わっていません。

真壁:その前に3回連続して赤が出ていたとしても、次にルーレットを回したとき、赤が出る確率も黒が出る確率も半分半分、変わりはありません。すなわち、赤が3回続こうと10回続こうと、その次にルーレットを回したときに黒が出る確率は、やはり半分なのです。

このことを裏付ける「大数の法則」というものがあります。これは統計学の考え方なのですが、ルーレットを合計3万回まわしたとすると、だいたい1万5000回くらいは赤が出て、残りの1万5000回くらいは黒が出るというもの。つまり、何度も何度も数多く試行を重ねることで、その事象の出現回数が理論上の値に近づいていく定理のことをいいます。

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