夢の「2拠点生活」こんなはずじゃなかった実態 都会と田舎を行き来する生活の盲点と落とし穴

東洋経済オンライン / 2020年10月30日 13時0分

都会と田舎を行き来する2拠点生活が注目されているが、想定外の事態に陥ることも……(写真:sunny/PIXTA)

新型コロナウイルスの流行以降、大きく生活様式が変化する中で、地方や郊外への移住、リゾート地でテレワークを活用して働きながら休暇も取るワーケーショーン、複数の住居を持つ2拠点生活などが一段と注目されている。

神奈川県に住んでいた筆者は、今年1月に三重県の山奥に築75年の古民家を購入し、2拠点生活を始めていた。が、コロナの影響をまともに受けてしまい、当初描いていた生活は、想定外の事態に陥っている。コロナ禍の現在の2拠点生活の実態や、コロナ収束後に考えられる2拠点生活の盲点や落とし穴について考えてみたい。

■コロナで2拠点移動は困難に

日本の田舎には共通することだが、コロナへの感染は、とくに高齢者にとっては命に関わる問題であるだけに、とりわけ恐怖感が強い。「県外ナンバー狩り」や「帰省者への嫌がらせ」などは論外だが、都会から来る人や、都道府県を行き来する人への実際的、心理的な抵抗は強い。緊急事態宣言の最中には、神奈川の家に帰ることができず、解除された今も、帰りにくい雰囲気は変わらない。

多くの2拠点生活者がこうした実態に悩んでおり、中には「他県ナンバー狩り」を恐れてレンタカーを借りたり、地方や田舎での生活用に2台目を買ったりして生活する人もいるという。

筆者も、三重の拠点に強制移住となった今、「湘南ナンバー」で走るのはとても居心地が悪い。少し前まで近所に出掛けるだけで、ぎょっとした顔をされることも少なくなかった。「三重県在住者です」と、駐車する際には車にボードを掲示し、警戒感をあらわにする人には「コロナ前から住んでいますよ」と、いちいち説明しなければならなかった。

三重の自宅から神奈川の自宅に行くのに際して、食料は持参して他人にも接触しないようにするなど徹底した感染予防策は可能だが、問答無用で帰らせてもらえない雰囲気が田舎には漂っていた。

このため、緊急事態宣言が解除されて3カ月ぶりに一時的に戻った神奈川の自宅の荒廃ぶりにろうばいした。庭はジャングルようになって雑草や伸び放題になった野菜が通り道をふさぎ、積み上げてあった薪も倒壊して玄関への侵入を阻んでいた。郵便受けは、近所の人に何度か見てもらうよう頼んでいたものの、ポスティングによるチラシや郵便物で埋まっていた。

戸建ての自宅が老朽化していることも事態の悪化に拍車を掛けた。これがマンションだったら、少しは状況が違ったかもしれない。換気や掃除をしなかったことによるカビ臭やゴキブリの糞、ホコリが積もった床を前に、うろたえた。庭の樹木が張り出すなど近所の方にも迷惑がかかっていたようだ。

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