築地本願寺、元銀行マン僧侶が大活躍の理由 超常識のマーケティングと変革マネジメント

東洋経済オンライン / 2020年11月6日 8時0分

400年の伝統がある築地本願寺がリブランディング、ビジネスモデルの大変革に取り組む(写真:小野真志/PIXTA)

400年の伝統がある築地本願寺が今、リブランディング、ビジネスモデルの大変革に取り組んでいる。「衰退産業」の中にあって、生き残りをかけてどのように変わりつつあるのか。元ビジネスマンから2015年に築地本願寺のトップに就任以降、数々の斬新な施策でテレビ番組「カンブリア宮殿」などでも注目され、このほど『築地本願寺の経営学』を上梓した安永雄彦氏が仏教界の常識を超えるマーケティングと変革マネジメントについて解説する。

■コロナ禍には「オンライン法要」で対応

400年の伝統ある築地本願寺でも、今、変わらなければ潰れます。

コロナ禍に対応しての「オンライン法要」
ユーチューブで聞ける法話
予約殺到の30万円からの「合同墓」
「インスタ映え」で大行列のカフェ
女性シンガーAIさんのライブ開催
結婚相談所「築地の寺婚」で縁結びをお手伝い
LGBTカップルの仏前結婚式も大歓迎
……

築地本願寺では、仏教界におけるこれまでの「常識」を覆す「マーケティング」に取り組んでいます。

どんな企業も、時代の変化とともに変わらなければ生き残れません。それは寺院にしても同じことです。

変わりゆく時代の中で仏教の教えという変わらない価値を伝えるには、その方法や手段も時代に合わせて変化する必要があり、さらには自らが変化していくことを恐れてはなりません。

寺と人との関わりは大きく変化し、寺離れが進んでいます。都市部への人口集中、少子高齢化や核家族化、何よりも価値観の変化で、日本に7万7000あると言われる寺(令和元年版文化庁『宗教年鑑』ベース)のおよそ3割が20年後にはなくなると予測されています。

歴史ある名刹とて、この流れから逃れることはできない……全国1万200寺院を束ねる浄土真宗本願寺派の宗派組織トップである橘(たちばな)正信(しょうしん)総長(2012年当時)も、おそらくそう感じていたのだと思います。だからこそ、まったくの異分子である私を浄土真宗本願寺派の常務委員にし、さらには築地本願寺の「社外取締役」たる評議員に迎えたのでしょう。

■衰退産業で参拝者は減少、経常収支は赤字続き

銀行勤務を経て、コンサルティング会社を経営していた私は、50歳で僧籍を取得したとはいえ、僧侶たちから見ると「ビジネスの世界から突然やってきた理解不能な人物」だったでしょう。私にとっても宗教法人は「言葉の通じない異世界」であり、完全なアウェーでした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング