39歳コピーライターが「ゆるスポ」発案した経緯 子どもの障害発覚を機に仕事の在り方を改めた
東洋経済オンライン / 2020年11月22日 8時10分
澤田智洋さん(39歳)の本職は「コピーライター」。大手広告代理店に籍を置きながら、「ゆるスポーツ」というものを広める活動をしている。そもそもゆるスポーツとは何なのか?
簡単にいうと、老若男女誰でも楽しめる新しい新案競技で、運動オンチも障害のある人もどうぞというもの。何それ? と興味をそそる珍妙なネーミングが多い。たとえば「500歩サッカー」は試合中に選手が動ける歩数を制限する競技で、運動量よりもいかに効率的に動くかがカギとなる。
「イモムシラグビー」は、選手全員が「下半身が動かせなくなるイモムシウェア」を着用し床をゴロゴロ転がりながらボールのパスやトライを試みる。これは車椅子の人がふだん家の中では這って生活(そのため腕の筋肉がすごい)するというのを聞いて考えついたそうだ。ほかにも「ハンぎょボール」「ハンドソープボール」「せんたくテニス」などなど……。
■障害があってもできるスポーツを考案
こうした競技が90種類もあり、いろんなイベントで行われている。「マジと遊び」が混沌としているという点では、運動会のパン食い競争や借り物競争を思い起こさせる。
しかし澤田さんは、どうして「ゆるスポーツ」を思いついたのか? 出版さればかりの著書『ガチガチの世界をゆるめる』(百万年書房)を読むと、息子さんの誕生がそのきっかけになっているという。
「広告の仕事というのは、人に合わせる仕事なんですね。そのことに少し疲れも感じていたときに生まれた息子の障害が発覚した」(澤田さん)
2013年1月に生まれた息子の様子がおかしい。「なんか視線が合わないな……」と総合病院で診察を受けたところ、網膜異形成など複数の障害を併発していることがわかった。その日から澤田さんは仕事が手につかなくなったという。息子の将来に対する不安から「障害者の世界を勉強しなくちゃいけない」と大量に本を買って読んだりもした。けれども読むたびに心が沈んでしまう。
「絶望100パーセント」になっていたときに出会ったのが中途失明者で障害者支援就労に従事する成澤俊輔さん。「世界一明るい視覚障害者」といわれる人だ。澤田さんは著書の中でこう綴っている。
《成澤さんは、若い頃に徐々に目が見えなくなる病気になってしまい、最初はヘコんだけどそのうち吹っ切れたそうで、「見えない状態に慣れれば、あとは普通です」と言っていました。成澤さんは障害のある人生を謳歌しています。しかも、もともとカリスマ性があったわけでもないのに、それを後天的に体得した人なんだそうです。》
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