「感動で泣く」モンベル創業者の斬新キャンプ術 言葉も音楽もない「自然の音」を感じる

東洋経済オンライン / 2020年11月25日 7時50分

登山家でもある創業者の辰野勇氏(写真:ヒラオカスタジオ)

近年ブーム再燃の兆しを見せているキャンプ。アウトドア用品メーカー「モンベル」の創業者にして、アウトドアの達人である辰野勇氏は「都会のなかでも、自然を満喫することができる」という。辰野氏の近著『自然に生きる力 24時間の自然を満喫する』から、今回は辰野流キャンプの楽しみ方をお届けする。

■五感で感じて自然を取り込む

日帰りのハイキングも楽しい。でも、太陽の照っている時間だけ山を歩くのでは、一日の半分以上を享受していません。

湖面から湧き立つ朝霧。モルゲンロート(朝焼け。朝日の出る前に山肌が赤く染まること)とアーベントロート(夕焼け。夕日が山肌を赤く染めること)。流れ星の光跡。虫の音色がつくり出すシンシンとした夜の静寂……。キャンプをすれば、ゴールデンタイムともいうべき朝夕や、夜空の自然現象すべてを受け取ることができます。

『モンベル・アウトワード・コラム』(「bayfm」のラジオ番組『ザ・フリントストーン』内のミニコーナー)でご一緒している仲川希良さん(モデル/フィールドナビゲーター)は、番組内で、

「はじめて山の中で泊まったときは、夜ってこんなに暗いんだ。ただそのことにすごく驚いた覚えがあります。キャンプをすれば、テントの幕1枚越しに自然の時間が流れているのを感じます」

とコメントされていました。仲川さんが「夜の本当の暗さ」と、「外気に包まれる心地よさ」を実感できたのは、テント泊を通して24時間、自然を満喫したからです。

山を五感で感じて、自然を自分の中に取り込む。そうすることで、自分をリセットできます。

建物で囲われた日常から離れて、自然に身を置く。自然の奥深さ、厳しさ、多様さに対峙するのがキャンプの醍醐味です。

難易度の高い山に挑戦しなくても、非日常の世界に飛び込まなくても、「日常」の中でも自然を享受できます。

私たちは、「自然の中」=「山(森)などの遠い場所の中」にあると考えがちです。しかし、自然は「どこにでも」あります。コンクリートジャングルの中でさえ、自然は存在しています。

以前、ビルの屋上でテント泊をしたことがありました。屋上には土も木もない。もちろん、ビルの屋上と山や森では、「自然」のレベルも違います。けれど、都会にも空があって、流れる雲もある。太陽の光を浴びることも、風の音を聞くことも、星空を眺めることもできます。

都会に自然がないのではなく、私たちが気づいていないだけなのかもしれません。自然を感じるセンサーを働かせてみる。目を凝らし、耳を澄ましてみる。すると、日常生活の中にも、自然とのつながりを見出すことができるはずです。

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