カングーが「賛否両論の大変身」を行った理由 2021年の発売を前に見えた新型カングーの全貌

東洋経済オンライン / 2020年12月20日 7時10分

今回のフルモデルチェンジで3代目となるカングー(写真:ルノー)

日本でも根強い人気を得ているフランス車の1つ、ルノー「カングー」の新型が11月12日にフランスで発表された。すでに新型の写真はインターネットに出回っているが、そこに添えられた記事は説明不足のものも目立つ。

筆者はフランス北部のモブージュという街にあるカングーだけを作っている工場を訪ね、開発担当者に直接話を聞いたこともあるので、そうした経験を踏まえて詳細な情報をお届けしたい。

まず書いておきたいのは、カングーは日本で販売されているハイトワゴンのほか、欧州ではLCV(ライト・コマーシャル・ビークル)と呼ばれるバンもあるうえに、新型では廉価版を「エクスプレス」という名前で用意し、こちらにもワゴンとバンがある、つまり合わせて4つのバリエーションを持つことだ。

現行型のラインナップをそのまま引き継げは、カングー・ワゴンとエクスプレス・バンの2タイプになったはずだが、日本でもトヨタ「ハイエースバン」をレジャーに使う人がいるように、ユーザーの要求が多彩になってきたことを踏まえ、4車種体制に拡充したようだ。

■バリエーションを拡大した理由

ここまでワイドなバリエーションを展開できるのは、日本以外でもカングーの人気が根強いからである。1997年に発表されてからの累計販売台数は400万台を超え、ルノーは翌年から21年連続で欧州における商用バンと乗用ミニバンのリーダーであり続けている。

電動化においても同様で、「カングーZ.E.(ゼロ・エミッション)」は小型商用車におけるEVのパイオニア。2011年以降欧州でもっとも売れている電動小型商用車であり続けており、現在まで5万台以上が販売されている。新型もカングーに電動バージョンが用意される。

それよりも多くの読者の興味は、スタイリングが一変したことだろう。

現行型がフロントマスク、フロントウインドー、サイドウインドーなど各所に優しい丸みを携えているのに対し、新型は直線基調の機能的なフォルムを備えている。

これはローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏が指揮する今のルノー・デザインが、2012年に本国でデビューした先代「ルーテシア」から展開を始めており、現行カングーはその前の発表であることが関係していると思っている。

しかも、少し前に「ルーテシア全面改良でも旧型に似ている訳」で書いたように、ルーテシアは日本でも今年10月に新型に切り替わっており、スタイリングは先代より直線基調になった。カングーの上に位置するLCVの「トラフィック」および「マスター」も、カングーに先駆けて直線基調のスタイリングにモデルチェンジしており、最近のマイナーチェンジでその傾向を強めている。カングーがこれまでよりシャープなラインをまとうのは当然に思えてくる。

×


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング