コロナ以外の肺炎患者「実は急減」の意外な事実 病因ごとの減少幅は異なるが行動変容が要因か

東洋経済オンライン / 2020年12月24日 15時30分

このコロナ禍では、ぜんそくの入院患者だけでなくコロナ以外の肺炎患者も大幅に減っていた(写真:Chinnapong/iStock)

2020年4月から9月の半年間の医療機関270施設からのデータを分析すると、同期間の入院患者数は1年前に比べ14.3%減少したことが分かった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の第1波を受けて感染拡大防止のために政府が緊急事態宣言を発令した真最中の5月の減り方が特に顕著だった。

4月から9月の同データを、疾患別の入院患者数で見ると、「呼吸器系疾患」が大幅に減少した。特に、「ウイルス性肺炎」と「細菌性肺炎」の入院患者数が、それぞれ前年同期比93.8%、48.1%の大幅減を記録した。不要不急の外出を控えたり、マスクを着用したり、手指消毒の徹底をしたりするといった新型コロナへの感染防止対策が、肺炎入院患者の減少という形で表れた格好だ。

■コロナ禍の行動変容が肺炎患者減につながった?

4月に緊急事態宣言が発令されて8カ月が過ぎた。同宣言が解除されて以降、新型コロナは一時的に落ち着いたかに見えたが、11月には再び新規感染者数が増加、12月に入って連日過去最多の新規感染者数を記録するなど、依然として感染防止策が欠かせない状況となっている。

新型コロナをきっかけに、国民は新しい生活様式に慣れることを余儀なくされ、全国的な行動変容が起きた。これは医療機関の経営にも大きな影響を与えている。入院・外来を問わず、患者数が減少し、病院収益に大きな打撃となっている。(図1)

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メディカル・データ・ビジョンが保有する急性期病院270施設のデータを分析すると、4月から9月の入院と外来の患者数は、いずれも減少している。大きく減少した5月の入院患者数は前年比24.7%減、同じく外来患者数は同24.3%減だった。その後、7月から9月にかけて患者数は、入院・外来とも増えていたが、現在の第3波と言われるこの状況が長期化して事態が深刻になれば、患者数が再び大幅に減る可能性もある。 

4月から9月の入院患者数のデータをさらに細かく見ていくと、患者数が最も減少したのは肺や気管支などの「呼吸器系疾患」で、次いで食道・胃などの「消化器系疾患」、血液を全身に循環させる心臓といった臓器の「循環器系疾患」と続く。これらの疾患毎の減少幅は、前年同期に比べそれぞれ33.7%、11.3%、15.4%となっている。

「消化器系疾患」は小腸大腸の良性腫瘍、「循環器系疾患」は心臓の筋肉へ供給される酸素が不足するために起こる一時的な胸の痛みや圧迫感を伴う「狭心症」が最も減少していたが、これらのほとんどは、病院に通院を続けるなかでの予定入院であり、かつ一般的には緊急性も比較的低いと判断されている。これらの予定入院が先延ばしにされたため、入院患者数が落ち込んだと考えられる。

■マスク着用やアルコール消毒に起因か

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