まだまだ現役「205系」、国鉄末期の画期的通勤車 かつては山手線や埼京線など首都圏でも大活躍

東洋経済オンライン / 2020年12月25日 8時0分

JR西日本が奈良線で運用する205系。4扉ロングシートで混雑時に力を発揮する(筆者撮影)

2020年、首都圏を中心に鉄道ファンの間で205系電車が話題となった。というのも、大所帯だった武蔵野線の“一族”が、209系やE231系の進出によって引退。その最後の姿を、多くのファンが見送ったのだ。

205系は、国鉄末期の1985年に登場した車両である。この頃、国鉄では首都圏を走る各路線の輸送力増強を計画しており、そのために必要な車両は山手線に新型車両を投入して捻出することになった。だが、最有力候補である201系は省エネ効果が高い一方で製造コストも高かったことから、これに代わる通勤型車両として205系が開発された。

■ステンレスの洗練された外観

その最大の特徴は、ステンレス製の車体だ。すでに、首都圏の大手私鉄ではステンレス車両が次々に導入されていたものの、国鉄で本格的に導入されたのはこの205系が初めてである。ステンレスはさびにくいため、鋼鉄製車体のようにさびる分を見越して部材を厚くする必要がなく、大幅な軽量化が可能となる。

また、さびないということは塗装によって表面を保護する必要もなくなり、塗料分の重さに加えて塗装作業の手間もカットできる。銀色に輝く側面は戸袋窓がなくなり、量産車では客窓を2段式から横部材がない1段式としたことも相まって、かなり洗練された外観となった。

走行機器類は高価な201系のチョッパ制御方式から、新たに開発された界磁添加励磁制御(かいじてんかれいじせいぎょ)方式を採用。機器の低価格化とさらなる省エネを両立させた。今では一般的となったボルスタレス台車を国鉄で初めて本格採用したのも205系で、乗り心地の改善と同時に軽量化にも貢献している。

205系はまず山手線で340両がデビュー。同線のシンボルカラーである黄緑色の帯を巻き、103系に代わって活躍を始めた。続いて、京阪神地区の東海道・山陽本線にもスカイブルー帯で進出したが、こちらは7両編成4本、わずか28両のみの製造にとどまり、103系と201系の“二大勢力”に交じって活躍することになる。

■分割民営化後も製造

国鉄が分割民営化された後も、JR東日本は1000両以上を製造。山手線に加えて横浜線、南武線、中央・総武緩行線、埼京・川越線、京浜東北線などにも活躍の場を広げた。1990年からは、前面のデザインを変えた車両が京葉線と武蔵野線で運用を開始したほか、翌1991年には前面だけでなく車内デザインや一部の機器類を変更した500番代が、相模線専用としてデビューしている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング