GoToキャンセル補償「旅行会社独り占め」の手口 宿泊施設へ補償が行き渡らない懸念があった

東洋経済オンライン / 2020年12月27日 6時50分

GoToトラベルののぼりが立つ東京・浅草の浅草寺付近。観光関係者は年末年始の一時停止による影響を懸念する(写真:AFP=時事)

7月下旬の開始以降、さまざまな課題を抱えながら運用が進められてきた観光需要喚起策「GoToトラベル」。賛否両論がありながらも、コロナ禍による利用者の激減で苦境に陥っていた宿泊施設をはじめ、旅行業界は一息つくことができたのも事実だ。

ところが11月半ば以降の感染者数急増を受け、あくまでGoTo事業の続行にこだわっていた菅義偉総理大臣もついに折れる格好となり、12月15日には年末年始(12月28日~1月11日)のGoToトラベル事業を全国一斉に停止することが決まった。

政府はキャンセルが出た事業者への支援として、代金の50%を補償する方針を示しているが、果たして現場に支援の手としてどう届くのだろうか。

■食材準備のメドが付いたのに…

12月15日に年末年始のGoToトラベル事業一斉停止が伝えられるやいなや、旅行会社や宿泊機関へはキャンセルの申し出が殺到した。2つの観光ホテルを運営する筆者の知人は、「たった半日で500件の取り消し。人数なんて怖くて計算できない」と訴えつつ、「GoToを使わなくても旅行はできます。密のないご宿泊が楽しめます」とリカバーを目指す。

しかし、GoTo中止による観光関係者への打撃はやはり大きい。すでに年末年始のピークまで2週間を切る段階での中止宣告では、新たな客源の掘り起こしは非常に困難であり、そもそもコロナの感染拡大が続く中で「旅行はタブー」という風潮が社会全体に広がっている。

ある旅館主は「年末年始向けの食材準備にやっとメドが付いた矢先の中止宣言。これならそもそもGoToが存在しなかったほうが、年越しに来る常連さんで十分に部屋が埋まったかも」と唇を噛む。

GoTo事業の一時停止に伴い、観光庁は12月24日までなら無料でキャンセル可能とし、キャンセルがあった事業者については1人当たり2万円を上限に、代金の50%を補償として受け取れることにすると発表した。その後、観光庁は24日になって、無料キャンセル可能日の期限を27日まで延長した。

だが、宿泊施設はある懸念を抱いている。肝心なキャンセルの補償金が得られない可能性があるというのだ。

GoToトラベルは、宿泊を伴う、または日帰りの国内旅行の代金総額の2分の1相当額を国が支援する事業と定められている。ただ、航空券や鉄道の切符を単独で予約するのは対象とならない。そのため、「ダイナミックパッケージ」などと呼ばれる「長距離交通機関の利用+宿泊」のプランを旅行会社から購入する利用形態が大半を占める。

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