「えんとつ町のプペル」疑った私が裏切られた訳 あのブームに覚える違和感と映画の完成度

東洋経済オンライン / 2020年12月28日 21時0分

『えんとつ町のプペル』に感じてきた違和感と、映画の実際とは?(画像:映画公式サイトより)

コロナ自粛の影響で、近年になく映像作品に親しむ人が増えています。より日常が豊かになるような、映像作品の楽しみ方とは? コラムニストの佐藤友美(さとゆみ)さんが、ドラマと日常の間に、華麗に接線を引いていきます。

今回は12月25日に公開になったばかりの映画『えんとつ町のプペル』についてお届けします。

■「鬼滅」よりも感動した?

12月25日に公開になった映画『えんとつ町のプペル』を観に行きました。舞台挨拶ライブビューイングつきの回です。

正直に告白すると、ワタクシ、かなり斜に構えた状態で客席にいました。というのも、私、この映画の総指揮・脚本・原作者である西野亮廣さんが、ちょーっとばかり、苦手だったんですよね。

あ、いえ、西野さんご本人が苦手というよりは、西野さんによってくり出される、マーケティング戦略の数々にややお腹いっぱいになっておりまして。なんというか、

「初日に観に行くなんて、西野さんの手のひらの上で転がされた感あるよなあ」

という、謎の敗北感すら味わっていたのでした。まあ、手前勝手な感情です。

なので、「ちょっとやそっとのことじゃ、感動してやらないぞ」という、すごく感じの悪い観客として、映画館の椅子にどかっと座って観ていたのですが、もう、10分もしないうちに背筋が伸びまして。20分後には、完全に前のめって画面にかぶりついておりましたし、最後はもう涙なんかもにじんでおりましたよね。

エンドロールのあとには、映画では珍しく、観客から大きな拍手が起こっていました。ええ、もちろん、私もめいっぱい拍手しましたとも。

はい。もう、懺悔の気持ちも含めて、声を大にして言いたいです。大変よかった、です。

一緒に観に行った小学生の息子にいたっては、私の100倍ピュアなものですから

「ママ! 鬼滅よりも、ずっと感動したよ!」

と、目をキラキラさせておりました。

ついでに言うと、一緒に観に行った72歳の母もおおいに感銘を受けており、家に帰ってから、孫と一緒に絵本を読み直したりしていました。

もうこのあたり、まんまと映画のキャッチコピー(「大人も泣ける大ヒット絵本の映画化」)どおりの反応をしている家族でありまして、完全に西野さんの手のひらの上で踊っているわけですが。

もう、そういう悔しさを通り越して、とてもあたたかく優しい、よき映画だったと認めざるをえないのです(どこから目線)。

昨今のディズニー映画などでは最大の配慮をされているジェンダー表現からすると、少し気になる人もいるかなあと感じるのですが、役者さんも音楽も、そして何より絵が素晴らしく。

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