2021年も米国株が日本株より上昇しそうな理由 なぜコロナがかなり深刻なのに買われるのか

東洋経済オンライン / 2020年12月29日 15時0分

12月24日に80歳の誕生日を迎えた、アメリカのアンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所長(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスに振り回された2020年も、終わりを迎えようとしている。2020年は株式市場が急落した3月末以降、いかにアメリカ株の反転に乗れたかが、投資パフォーマンスを決定した。

アメリカの株高の牽引役は、コロナ後に同国で発動した大規模な金融財政政策であり、それらがしっかり機能したことである。繰り出された政策対応をリアルタイムに正確に評価して、コロナ禍のなかで同国経済が早期に回復する展開を想定できれば、投資リターンを高められただろう。

■アメリカの株価が日本よりも上昇した理由は

だが株式市場のパフォーマンスは地域によって異なる。年初来のリターン(12月18日時点)は、アメリカ株(S&P500)14.8%、日本株(TOPIX=東証株価指数)4.2%である。

「日米相対株価指数」は2018年初から低下が続いており、結局3年連続で日本株がアメリカ株を明確にアンダーパフォーム(割り負け)して終わりそうだ。

両国の株価の格差をもたらした最大の要因は、経済政策運営の違いにあると筆者は認識している。世界に猛威をふるったコロナは、日本とはケタ違いの甚大な健康被害を米欧などにもたらした。アメリカのトランプ政権による公衆衛生政策が徹底されなかったことも、同国の被害を拡大させただろう。

ただ、株式市場にとっては、コロナの被害そのものではなく、コロナ禍への対応によって経済成長率や企業業績が回復するかどうかがより重要である。そして、コロナへの対応として行われた経済封鎖後に、繰り出された両国の財政金融政策にはかなり差があった。

アメリカでは、ジェローム・パウエル議長が率いるFRB(連邦準備制度理事会)が即座に金融緩和に転じて、大規模な流動性供給を行った。さらに財務省と一体となって財政政策の領域に積極的に踏み出し、企業の資金調達経路を確保するために社債市場を買い支える大規模な資金供給拡大を行った。

一方、ホワイトハウスと議会は、個人への小切手送付を含めた複数の仕組みを早急に整えて、家計所得を大規模に支える対応を繰り出した。連邦政府の財政赤字は6月時点で対GDP比約15%となり、わずか3カ月の短期間で対GDP比10%財政赤字が拡大した。この大規模な財政支出が戦後最大規模の経済ショックをかなり和らげた。

日本でも4月の緊急事態宣言に伴い、計57兆円(対GDP比11%)規模の2度の補正予算が策定された。アメリカ同様に補正予算が短期間で歳出されれば、日本経済はアメリカ同様に回復していただろう。日本では財政収支のデータが毎月発表されていないので推計するしかないのだが、実際にこれまでに歳出が執行されたのは、補正予算のうち約半分にとどまると筆者は試算している。

■日本のコロナ感染者への対応は不十分なまま

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