「速すぎる箱根駅伝」厚底靴、本質すぎる5大貢献 「靴の性能だけじゃない!」何を変えたのか

東洋経済オンライン / 2021年1月3日 10時0分

ナイキの最近モデル「アルファフライ」ではなく、あえて昨年来のモデル「ヴェイパー」を履く選手もいる(写真:EKIDEN NEWS)

コロナ禍にありながら、好記録が連発された2020年シーズン。選手のトレーニングの賜物であることはもちろんですが、「選手の高速化の重要な要因に、シューズがある」ことも忘れてはなりません。

当然、注目が集まるのは「ナイキのシューズ」でしょう。やはり今年の箱根駅伝も「ナイキのシューズ」が席巻するのか。これに対しての答えは、「半分は正解で、半分は不正解」といったところです。

■「厚底靴」がもたらした「大きな変化」

昨年の「全日本大学駅伝」を見てみると、全8区間の区間賞のランナーは、全員が「ナイキのシューズ」を履いていました。

表層的に見れば、今年も多くのランナーが「ナイキのシューズ」を履いて走るのは間違いありません。

しかし、さらに解像度を高くしてみると、もっと深い「靴とレースの関係」が見えてくるのです。

ナイキがもたらした「厚底靴」というイノベーションが、箱根駅伝をはじめとして、日本と世界の中長距離界に「大きな変化」をもたらしています。

その真相について、本記事では解説します。

以前の日本には、「分厚い靴は日本人に合わない」「薄ければ薄いほどいい」という定説が根強くありました。これまではマラソンシューズも「薄くて軽いのに反発力がある」というところがポイントで、技術的にもみんながそこを目指していました。

■ナイキが「世界」を変えた

【1】「厚底への偏見」が払拭

しかし、ナイキが出した「厚底靴」を皮切りに、各メーカーから厚底シューズが出揃い、ここ数年の話題となっていた「厚底 VS.薄底論争」は終止符を打たれる形になりました。「厚底」がもう常識になったのです。

レース終盤の落ち込みを軽減する厚底ソールによるクッション性、そしてカーボンプレートによる反発性については各メーカーもわかっていたのに、これまで商品化には至りませんでした。

これまでメーカー側が厚底を提案しても指導者や選手が「マラソンのシューズは薄くなければ」という固定観念もあって受け入れられなかったからだといいます。

しかし、ナイキがエリウド・キプチョゲ選手のフルマラソン2時間切りチャレンジをまるで、NASAが月面着陸を目指したアポロ計画のように、世界中の人にストーリーとして共有することで、固定観念を鮮やかに塗り替えた。ナイキが「結果」を出したことで、「厚底への偏見」が払拭されました。これは大いに称賛されるべきことです。

【2】「どの厚底靴を選ぶのか」の時代に

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