黒田日銀総裁は今の株価について語ってもいい 日銀が国民に判断基準を示さないのは「無責任」

東洋経済オンライン / 2021年1月5日 9時0分

日銀の黒田東彦総裁は2013年4月に就任、そろそろ在任8年になる。筆者はもっと株価について語ってもいいと言う(撮影:尾形文繁)

明けましておめでとうございます。今年も本連載をご愛読ください。連載執筆者3人のなかで、最年長の私に執筆順が巡ってきたことでもあり、連載陣を代表して年初のお願いを申し上げます。

■「コロナ禍での株高」の背景とは?

さて、経済とマーケットを主なテーマとする本連載にとって、昨年末は印象的な状況であった。

さすがに大納会の日経平均株価は前日比123円ほど下げたが、その前日の12月29日には1日で700円以上も上げて、年間の終値は2万7444円となった。年間を通じて約16%の上昇だ。

3月には1万6358円の安値があり、年間の展開が「急落後の急上昇」(値幅は約1万1000円)となったことは、記憶に新しい。

3月の急落をもたらしたのは新型コロナウイルスの感染症であり、その後の急上昇をもたらしたのは同じくコロナに対する金融・財政両面の経済政策だった。そして、混乱をもたらしたコロナは、大晦日の東京の新規陽性者数が1337人と、いきなり1000人の大台に乗ったように、「第3波」が拡大中だ。

そして、現状では、今後も経済対策が追加されることが期待されて内外の株価が上昇しているように見える。アメリカのドナルド・トランプ大統領が急遽サインして実行されることになった「1人当たり600ドル」を上限とする現金給付などを含むコロナ対策法案は、今後追加が予想される「頭金」的な支出になりそうだ。また、FRB(連邦準備制度理事会)に加えて、ジャネット・イエレン氏をトップに迎える財務省も追加の経済対策に対して前向き(前のめり?)と思われる。

加えて、ワクチンが効果を発揮して経済が回復することに対する期待や、短期的な経済循環として景気回復局面にあることなどが、今後の株価の支援材料と見込まれる。日本にとって、今やアメリカ以上の貿易相手国である中国の景気は悪くないし、今年のアメリカ経済も数カ月前の見通しからはずいぶん改善している。

ついでに、2020年のアメリカの市況を振り返っておこう。年間の変化をひとことでまとめるなら「株高ドル安」であった。年間の株価変動はNYダウが約7%高、S&P500が約16%高、NASDAQは約43%高であった。枕詞のように「ハイテク企業中心の」と紹介されるNASDAQの上昇が目立つが、インデックスファンドなどで多く投資されているS&P500も好調であった。

もっとも、日本からの投資家にとっては、ドル円の為替レートが年間で約4.9%円高になっているので(2020年末は1ドル=103.2円)、この分の割引が必要だ。ドルは他の主要通貨に対しても弱く、ユーロはドルに対して約9%上昇したし、英ポンドも約3%上昇した。

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