富士急「格安賃料」、山梨県知事が下した決断 自衛隊・北富士演習場への「二重貸与」も判明

東洋経済オンライン / 2021年1月8日 8時30分

山梨県が富士急行に貸与している県有地の賃料が、格安の水準であることが判明した(記者撮影)

山梨県が富士急行に貸している山中湖畔の県有地440ヘクタールの賃料が、専門家に委託して実施された不動産鑑定評価のわずか6分の1にとどまっていた問題が2020年11月に明らかになった。

県は歴代知事や富士急への損害賠償請求などを求めていた住民による訴訟を解決すべく、同年12月に和解案を県議会に提出。適正な賃料や歴代知事と富士急に対する損害賠償請求権の有無について、県庁内に検証委員会を設けて調査する方針を示した。

これに対し、県議会は12月末、「確認すべき事項が多岐にわたり、和解案を受け入れるかどうかの県議会の審議を終結する状況ではない」として継続審査を多数決で可決した。2021年1月中旬に始まる県議会の閉会中審査で議論が再開される予定だが、県が提示した和解案の可決は難航が予想される。

富士急との格安賃料問題をどのようにして解決していくのか、山梨県の長崎幸太郎知事にインタビューした(インタビューは2020年12月26日に行った)。

■格安での県有地貸し付けは無効

――県が提示した和解案については2020年12月25日の県議会で閉会中継続審査となり、決着は越年しました。

県議会での審議結果は何よりも重みのあるものとして受け止めている。継続審査という議会の判断を受けて、引き続き和解の実現に努力していきたい。

――長崎知事が原告の主張を受け入れて賃料見直しの方針を打ち出したことは、大変な驚きを持って受け止められました。

県有地の賃料が格安に設定されているとの疑念は、県内で長年にわたってささやかれてきた。そして、特定の会社に対する格安賃料が政治的に守られた既得権ではないかとの見方も根強い。こうした見方をされることが県政に対する不信感につながってきたことも確かだ。

私自身、立候補した2017年の衆院選でもこうした点を是正すべきだと問題提起した。2019年に県知事に就任して以降も、賃料適正化が必要であるとの立場に変わりはない。

――富士急は賃料適正化の方針に対して、今までの経緯を無視しており、算定の仕方もおかしいと激しく反発しています。

地方自治法第237条第2項では、地方公共団体の財産を、条例または議会の議決がないまま、適正な対価なくして貸し付けることを禁じている。そして同条の規定に違反すれば貸し付け契約は無効であることが判例によって明らかになっている。県としてはこの規定に基づいて契約を結ばなければならない。

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