不動産屋の「トラブル」が長年絶えない根本原因 契約や勧誘など苦情や紛争相談が相次いでいる
東洋経済オンライン / 2021年1月11日 7時30分
不動産を巡るトラブルでは、不動産そのものよりも、契約など、不動産屋に対する苦情のほうが絶えません。公認会計士・税理士の山田寛英氏が上梓した『不動産屋にだまされるな――「家あまり」時代の売買戦略』を一部抜粋・再構成し、背景事情を紐解きます。
多くの人にとって「マイホームの購入は人生に一度」となるかもしれない。しかし家を売る側の不動産屋はといえば、「一生に一度の取引」を毎日のように行っている。
国土交通省住宅局による平成27年度(2015年度)の「住宅市場動向調査」では、家を買う人の約8割が、今回の住宅取得が「初めて」と答えている。そのため、多くの購入者にとっては未知の体験だから、手取り足取り習うことになるだろうが、ではそれを教えてくれるのは誰か。それも多くは不動産屋だ。
上記図表(売買に関する相談の項目別内訳※平成24年度)は、不動産の売買について、一般消費者から東京都都市整備局に寄せられた電話での相談内容を表したもの。そのいくつかは、不動産そのものというよりも、「契約」や「勧誘」など、不動産屋に対する苦情や紛争相談であることがわかる。
■日々起きている不動産屋とのトラブル
なお平成24年度(2012年度)は、これ以外にも賃貸に関する電話相談が、別に1万4889件あり、「管理」や「報酬」に関するものが含まれている。
国土交通省のデータ「宅地建物取引業者の関与する宅地建物取引に関する苦情・紛争に係る相談件数」によれば他県でも相談が約1000件あるようで、不動産屋とのトラブルは日本全国で日々起きていることがわかる。
しかしマイホームの購入は人生の重要なポイントになる以上、消費者としてはこれ以上ないくらいに真剣に相談をするはず。それでいて、トラブルになるというのはいったいなぜなのか。
端的に言えば、トラブルの原因は、不動産屋というプロと、消費者というアマが持つ情報量の差にある。不動産屋は伝えたつもりでも、消費者側が理解していなかったり、不動産屋が意図的に情報を伝えなかったりしたことが、のちに露呈して、トラブルにつながるケースが多いと思われる。
しかもそれでいて、解決を消費者に課している姿勢が、さらに問題を複雑にしている。例えば不動産適正取引推進機構が出している「不動産売買の手引」には、冒頭の「はじめに」で、以下の文言が書かれている。
一般の方が、不動産の売買をすることは一生に何度もあることではありません。不動産の購入についての知識や経験も少ないのが普通です。
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