意外と知らない?「国対委員長」の仕事の中身 立憲民主・辻元清美氏が語る国会での舞台裏
東洋経済オンライン / 2021年1月11日 17時0分
国会運営は、与野党の「国会対策委員会」(国対)という法的根拠のないシステムに依存しています。事実上、与党と最大野党の、2人の国対委員長が特別な権限を持っていますが、いまだその実態については古い55年体制の談合政治のようなイメージでしか捉えられていません。2017年10月、史上初の野党第一党の女性国対委員長となった辻元清美氏が語る、国対委員長の仕事と役割とは。辻元氏が上梓した『国対委員長』を一部抜粋・再構成してお届けします。
国対委員長に就任後の初仕事は、総選挙後の特別国会の段取りを決めるための与野党国対委員長会談です。常任委員長室という国会議事堂の中でも格式が高い部屋で、与野党の国対委員長が勢ぞろいです。
自民党の森山裕委員長、公明党の大口善徳委員長、立憲民主党の私、希望の党の笠浩史委員長(後に泉健太委員長)、民進党(衆議院の会派は無所属の会)の平野博文委員長、共産党の穀田恵二委員長、社民党の照屋寛徳委員長、自由党の玉城デニー委員長、日本維新の会の遠藤敬委員長。
選挙後の初めての会談は、ニュースでいっせいに報道されました。与野党の代表者がソファーに座り、大きなテーブルを挟んでにらみ合う。報道のフラッシュがバシバシたかれる。読者の皆さんもテレビで見たことのある光景だと思います。
この初日のニュースはとくに女性からの反響が大きく、私自身、驚きました。
「政治の構図が変わったと実感した」
この声には、2つの意味があったと思います。1つは、立憲民主党が野党第一党になったこと。もう1つは、その第一党の国会運営の代表者の席に女性が史上初めてついたこと。こうして私の「国対生活」がスタートしました。
■野党が分裂してバラバラ
今思えば、国対委員長として私の置かれた立場は、3つの点で特殊だったと思います。1つ目は、野党が分裂してバラバラだったこと。与野党を問わず「第一党」は、他党を代表して交渉に臨みます。そこでの合意は決定事項になりますから、持ち帰って他党から文句が出ても引き返せません。なので、与野党協議の前にはよく他党の意見を聴き、野党を取りまとめることが重要です。
これまでの野党第一党は、野党内では圧倒的多数だったので、この野党内合意形成を多少乱暴にやっても抑え込むことができました。しかしこのときの立憲民主党は第一党といってもわずか55人。第二党の希望の党(のちの国民民主党)は50人でしたから、ほとんど差がありません。
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