化粧水が美容の「マストアイテム」という大誤解 肌表面が本来持つバリア機能が弱まるリスク

東洋経済オンライン / 2021年1月12日 19時0分

化粧水は本当に「マストアイテム」なのでしょうか。(写真:kokouu / iStock)

テレビCMや美容雑誌、コスメサイトなどでは化粧水を使うことが推奨されています。なんとなく使わないと気持ちが悪いけれど、これで本当に潤っているのかと疑問に思っている人も少なくありません。巷にあふれる美容情報をどう正しく読み解くか、現役の形成外科医であり肌の構造に精通している落合博子氏が解説します。

■化粧水を使うメリットはあまりない

「洗顔後には肌が乾燥しないように化粧水をたっぷりつけるのがよい」と、みなさん当たり前のように思っているかもしれません。でも、化粧水を使うことのメリットはあまりないというのが、正直なところです。

化粧水はたっぷりとつけることが前提ですから、ほぼ水分からできています。そこにほんの少し保湿成分が配合され、油分はほぼ入っていません。たくさん使えば多少しっとり感が得られるかもしれませんが、そのしっとりの正体は、肌に残ったじゃっかんの保湿成分。肌自体がうるおっているわけではありません。

ですから時間が経てば、また乾燥を感じるでしょう。そして、外から与えた過剰な水分は角質層に留まることができないので、どんどん蒸発していきます。化粧水には角質層からの水分の蒸発を防止するほどの効果はなく、結果的には、肌自体は元どおりに乾燥してしまうのです。

わたしたちはよく、「肌にうるおいがある」と表現しますが、このうるおいがどこで保たれているのかといえば、肌表面の角質層。ですから角質層で水分が適度に保たれていれば、肌はうるおっているということになるわけです。

さて、角質層はもともと、水分や油分を適切に保つ機能を持っていますから、角質層の本来の機能を妨げずにいれば、肌はつねにうるおいを維持できます。化粧水をおすすめしないのは、この角質本来の機能を乱して、肌を弱めてしまうリスクがあるからです。

化粧水で疑似的に水分が補われると、角質層で水分と油分を適切に保持している細胞間脂質であるセラミドの機能が乱れます。水分が十分あると勘違いするために生成が抑制され、自力でうるおいを保てなくなるのです。

結果的に、肌表面の本来のバリア機能が弱まることで、深層の水分や油分が流出し、キメも荒れて艶を失います。毛穴や小じわ、ニキビなど、さまざまな不調が起こりやすくなってしまうのです。

■肌の常在菌こそ天然のクリーム

こうして、わたしたちの肌の調子や美しさは、角質層の状態に大きく左右されるわけですが、角質層の表面はもともと、肌がつくる天然のクリームともいえる皮脂で保護されています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング