泥酔防止に「トマトジュース」が効く医学的根拠 ウコンやシジミは予防できるほどの効果なし?

東洋経済オンライン / 2021年1月14日 19時30分

翌日につらい思いをしないために、知っておきたい知識をお届けします(Ushico/PIXTA)

ついつい飲みすぎてしまいがちなお酒。お酒による酔い過ぎを予防するには「トマトジュースが効果的」と話すのが、近著に『代謝がすべて』がある内科・循環器科の専門医、池谷敏郎氏です。お酒で摂取したアルコールは、どう処理され、体にどんな影響を与えているのでしょうか。健康を維持しながらお酒を楽しむために知っておきたい「アルコールの代謝」について、池谷氏が解説します。

■「運動後」はビールよりタンパク質多めの食事に

お酒と代謝にまつわる話で、まず、残念な真実をお伝えしましょう。筋トレなどの運動を行ったあと、頑張った自分へのご褒美にお酒を飲む人は多いのではないでしょうか。汗を流したあとの一杯は、格別に美味しいですよね。運動とビールがセットになっている人も少なくないと思います。

でも、筋トレ後にアルコールを摂取すると、筋トレによって促進されるタンパク質の合成が邪魔されてしまうことがわかっているのです。

筋トレ後のアルコール摂取の影響を調べたある研究では、筋トレ後にプロテイン(タンパク質)のみを摂取する場合と、プロテインとアルコールを一緒に摂る場合で、タンパク質の合成率がどう変わるのかを調べました。

このときのアルコール量は「体重1kg当たり1.5g」だったので少し多いのですが(体重60kgの人で、ビールを中瓶4本半ほど)、結果はと言うと、プロテインのみを摂ったときに比べて、アルコールも一緒に摂った場合には、タンパク質の合成率が約2割強下がっていたのです。

筋トレを行ったあとにタンパク質を摂れば、相乗効果でタンパク質の合成が高まります。ところが、トレーニング後の一杯は、せっかくの効果を邪魔してしまうのです。効率よく筋肉をつけるには、筋トレ後のご褒美はビール(お酒)ではなく、タンパク質多めの食事にすべきですね。

さて、お酒を飲むと、体内に入ったアルコール(エチルアルコール)はどのように代謝されるのでしょうか。

アルコールは、胃で約20%が、小腸で80%ほどが吸収されます。よく「空腹の状態で飲むとよくない」と言われますよね。それは、胃が空っぽの状態では、アルコールが胃を素通りしてすぐに小腸に届いてしまうからです。ほとんどのアルコールが小腸で吸収されるうえ、小腸での吸収は速いので、アルコールがすぐに小腸まで届くと、アルコールの吸収が速くなり、酔いやすくなります。

だから、空きっ腹での飲酒はよくありません。私は、お酒を飲む際には必ず油を使った料理を食べるようにしています。油は、胃の運動を抑制して胃に長くとどまりやすいうえ、消化管ホルモンを介して胃の出口(幽門)を閉める働きがあるので、先に油を入れておくと、アルコールが胃にとどまる時間が長くなり、小腸での吸収を遅らせることができるのです。

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