コロナ禍で改めて問われる「家族のあり方」 結婚相手に学歴や収入を求めて幸せになれるか
東洋経済オンライン / 2021年1月21日 16時30分
すると、彼女は言った。
「私の父は中学を卒業して大工になり、修業期間を経て独立し、高卒の母と結婚をしました。母は姉さん女房です。そこから父は、自分の腕一本で稼ぎ、母はそんな父を支えて、弟と私を大学まで行かせてくれました。そんな父の背中を見て育ってきているので、人は学歴ではないと思っています。自分の仕事に誇りを持って前向きに取り組んでいる方との結婚を望んでいます」
この話を聞いたときに、私は心洗われる思いがした。結婚相談所を訪ねてくるアラフォー女性たちは、入会面談のときに、必ずこんなことを言う。
「私が大卒なので、お相手も大卒限定です」
「男性が大卒じゃないと、親も結婚話をしたときにいい顔をしないと思うんです」
「年収は私よりも高い人がいいです。そうじゃないと尊敬できないから」
聡子にお相手の年収について尋ねると、今度はこんな言葉が返って来た。
「私は、結婚しても仕事を続けたいんです。働くというのは社会とつながることでもあるので。2人が力を合わせて暮らしていければいいので、相手の年収に特別なこだわりはありません」
この言葉を聞いたときも、しっかりとしたご両親に、愛情をかけて育てられたのだろうと感じた。聡子は、都内の企業で男性と肩を並べて仕事をし、弟はマスコミの第一線で活躍をしているというのも、うなずけた。
こうして、聡子の婚活がスタートした。
しかし、婚活者なら誰もが経験済みだと思うが、そう簡単に相手が見つかるものではない。出会いには運もあるので、なかには初めてのお見合い相手と結婚してしまう人もいるし、3人目や5人目の相手と早々と結婚を決めて成婚退会していく会員もいる。
聡子は、お見合いをして交際には入るのだが、そこから「結婚に進みたい」と思える相手には、なかなか出会えずにいた。
あるとき、夏の休暇を利用し帰省をし、そこから戻ってきた聡子と面談をした。都内のティールームで会ったのだが、彼女の表情がいつになく寂しそうだった。
「ご実家で、久しぶりにゆっくりできた?」と聞いた私に、聡子が言った。
「父が末期のがんなんです。帰るたびにやせ細っていく。毎日顔を合わせていたら、そう感じないのでしょうが、数カ月おいて会うから、弱っていく様子がわかって痛々しい。そんな父を見ると泣きそうになってしまうんです。無理にでも笑って元気な姿を見せなきゃと、毎回思うんですが、私がヘタレなんで、困ったものです」
さらにこう続けた。
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