コロナ禍で改めて問われる「家族のあり方」 結婚相手に学歴や収入を求めて幸せになれるか

東洋経済オンライン / 2021年1月21日 16時30分

コロナになり、孤独を感じて“結婚”を意識した独身者も多いと聞くが、逆に夫婦がずっと一緒にいる時間がストレスとなり、夫婦関係が悪化して、コロナ別居、コロナ離婚も増えたと言われている。

もう何年も前に、入会面談にきた女性はこんなことを言っていた。

「離婚して1年になります。私が彼との結婚を決めたのは、36歳のとき、相談所のお見合いでした。彼に決めたのは、大手企業の社員で、年収が高かったからです。ところが、結婚してみたらとてもキレやすい人だった。仕事が忙しかったり、大きな企画を任されたりすると、それがプレッシャーになるのか、家でもピリピリしているのがわかるんです。

そんなときは、私が煎れたお茶の温度が熱かっただけで、突然キレる。キレると暴言が止まらないんです。『お茶もロクに煎れられないなんて、お前は脳ナシだな』とか。いったん暴言を吐くと、もう怒りがどんどん増幅されていって止まらない。『俺を怒らせるな。俺の稼ぎがあるから、お前は生活できているんだろうが』とか、『このバカ女が』とか。

私はフルタイムで働いていても、彼の3分の1以下の収入しかありませんでした。だから、お金を稼ぐ仕事をしている自分はつねに私よりも上という態度で接してくる人でした」

結局彼女は、つらい思いを吐き出してすっきりしたのか、「入会は、また改めてお返事します」と資料を持ち帰り、その後の連絡は一切なかった。

また、こんな女性もいた。

彼女は2人姉妹で、そろって難関の有名私大を卒業していた。さらに父と母は日本最高峰の国立大の卒業生だった。そんな彼女が、入会面談のときに言った。

「お相手は、私の卒業大学以上の大卒の方を希望します。これまでそういう男性としかお付き合いをしてきませんでしたし、そういう方でないと、ウチの家族の中に入ったときに窮屈な思いをする。お相手の方も居心地が悪いと思うんですよ」

さらに相手の希望年齢を自分よりもプラスマイナス3歳としていたので、なかなかお見合いが組めず、5人くらいお見合いをしたものの、「ここには、私が結婚したいと思う男性はいませんでした」と、退会していった。

結婚相手とは、残りの人生を一緒に歩いていくことになる。生活するためにはお金が必要なのだから、相手に高い年収を求めたくなる気持ちはわかる。

また高学歴の人たちは、学生時代にたくさんの努力をしたからこそ、その学歴を得たわけで、それを誇るのは当然だろう。また、自分が高学歴者なのだから、相手にそれ以上の学歴を求めたとしても、それは他人から非難されるべきことではない。

■条件ばかりに固執して幸せになれるのだろうか

どんな相手と結婚したいか、実際に結婚するかは、個人が決めることだ。理想が高く、その理想にかなう相手がいなかったら、一生独身で過ごす。それもまた個人の選択だ。

しかし、結婚相手を選ぶときに条件にばかりに固執したところで、本当にそれが幸せにつながっていくのだろうか。

中学を卒業し、自分の腕で職人気質の仕事をし、お金を稼ぎ、年上の妻をめとり、2人の子どもを育て上げた。最期は妻と愛娘に手を握られ、リモートで息子とその嫁に見守られて人生を終えていく。聡子の父は、がんには勝てなかったが、きっと幸せな人生だったのではないか。

コロナ禍において、結婚や家族のあり方が見直されている。婚活者たちは、どんな結婚をしたら幸せになれるのか、もう一度考えてみてほしい。

鎌田 れい:仲人・ライター

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