LCCピーチ、コロナ禍であえて国内線大増強の訳 「ステイジャパン」見込み、強気の逆張り路線

東洋経済オンライン / 2021年1月21日 8時0分

競合他社とは対照的に、コロナ禍でピーチは国内線を拡充してきた(撮影:今祥雄)

コロナ禍の「乱気流」に正面突破を試みる――。

国内LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーションは12月24日、中部国際空港を発着する新千歳と仙台両空港への路線を開設した。同社が中部発着の定期直行便を設定したのは初めてだ。

ピーチの森健明CEOは就航を決めた背景について、「中部はピーチ創業当初から、いつか就航したいと思っていた。(創業初便となった2012年3月の)就航から間もなく10年を迎えるにあたり、日本全国にピーチのネットワークを張るタイミングだ」と語った。

■「鬼門」の中部国際空港に就航

中部は航空会社にとって「鬼門」とも言える空港だ。日本の3大都市圏に数えられる中部圏の大規模な移動需要を抱えているが、首都圏や近畿圏への移動手段としては新幹線などに劣後している。2019年の国内線の乗降客数は、新千歳や福岡、那覇空港などの後塵を拝し、中部は8位にとどまっている。

ピーチが今回就航した新千歳線の座席利用率は、他社の年間実績で71.7%、仙台線に至っては同56.9%と、高需要路線とは言い難い。ただ、これらは2020年11月に経営破綻したLCCのエアアジア・ジャパンが運航していた路線だ。中部発着路線だけを運航していたエアアジア全体の座席利用率は、コロナ影響のなかった2019年12月期で78%に達し、それほど悪い利用率ではない。

ピーチは新千歳、仙台とも、すでに関空や成田発着で乗り入れている。森CEOは2020年10月の東洋経済によるインタビューで、「決して楽なマーケットではないが、北海道と東北にはピーチのユーザーがいっぱいいるため、(現地発の利用で)初期の需要は下支えできる。そこに中部の新しいお客様が上乗せされれば、早期の収益回収もできると思う」と語っていた。

実際、2020年12月24日の新千歳への初便も、180人の定員に対して160人が搭乗するなど上々の出足となった。

コロナ禍で競合の航空各社が国際線、国内線を問わず供給を絞っているのとは対照的に、ピーチは国内線の供給量を増やす強気の姿勢を続けてきた。

2020年から2021年にかけての年末年始、最大手の全日本空輸(ANA)は国内線の提供座席数を前年比で17.1%減らした。日本航空(JAL)やLCCのジェットスター・ジャパンも、ともに同30%程度減少させた。これに対し、ピーチは年末年始の提供座席数を、逆に前年比で17.6%増やした。

■年末年始の利用客はわずか58人

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