牛乳パックの「なぜ」で伸ばせる子どもの創造力 「考える子」を育てるために大事な3ステップ

東洋経済オンライン / 2021年1月23日 11時30分

牛乳パックの「なぜ」を体験から学ばせることは大事なことだ(写真:olan_de_utan/PIXTA)

空はどうして青いのか、飛行機はどうして飛べるのか、うちの犬はどうやって飼い主を見分けているのか……。子どもの頃にはだれでも、多くのことをふしぎに思っただろう。「なぜ」と思う気持ちは、学校での学びを楽しくする。子どものそうした気持ちを大事にすることは、大人の大切な役割だ。『AI時代に生きる数学力の鍛え方』で、算数・数学を通じて思考力や創造力を伸ばすことを説く著者が、「考える子」を育てる秘訣を明かす。

「スーパーで売っている牛乳パックには、本当に1000ml入っているのか」という極めて身近な話題が、2000年に日本総合学習学会の講演で紹介され、私も非常に興味を持った。

この学会は、学校教育で2000年に「総合的な学習の時間」が導入されたことがきっかけとなって設立された。「総合的な学習の時間」は、文部科学省の言葉を借りると、変化の激しい社会において自ら課題を見つけ、よりよく問題を解決する能力を育てることを狙いとしている。

■牛乳パックの大きさを測ってみると

紹介された話題は、1000ml入り、すなわち容積が1000立方cmであるとうたわれた牛乳パックには、本当に1000立方cmの牛乳が入っているか、という謎である。

牛乳パックの上部の三角形部分の下を直方体と見なし、その周囲の寸法を測った数値が示されていたが、どう測っても、「たて×横×高さ」が1000立方cmより小さくなってしまう。

その講演では、実際に新しい牛乳パックと計量器を用意して、中の牛乳が計量器に流し込まれた。すると、1000mlをほんの少し超えた量が確認されたのである。

その結論は手品でも何でもなく、紙の容器が膨らむ分だけ牛乳が多く入る、ということである。

大人は「なあんだ」と思うかもしれないが、児童たちに体験を通じて容積の概念や現実での応用を学ばせることは、学習に興味を持たせるという点でとても大事なことだ。

実は筆者自身、その講演を聞いた後、牛乳パックのどの位置まで牛乳が入っているかを自分の目で確かめたくなり、実際に何本か購入して調べてみた。新しいパックを開けると、牛乳は上部の三角形の部分には入っておらず、直方体の部分に収まっていた。

筆者自身の物差しによる測定結果では、パック上部の高さ2cmの三角形部分より下を直方体と見なして、その体積を求めると、
7×7×19.5=955.5(立方cm)となる。

一応確認のため計量器に牛乳を全部入れてみると、牛乳は1000立方cmより少し多く入っていた。そこで、牛乳パックを上からよく見てみると、パックが横に少し膨らんでいることが確認できた。

■「ふしぎだと思うことが『科学の芽』」

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